130386Raのスタートアップな日々

2010年からスタートアップのサポーターとして活動してきた記録と、サポーターに飽き足らず50歳を過ぎてプレイヤーサイドに身を投じたへそ曲がりなおじさんがスタートアップについて諸々お伝えしているブログです。

Nov 15,2013

とうとう、Startup Weeked Kyotoの初日を迎えた。
今回の参加者は、25人で過去に何度か参加者したことのあるいわゆるリピーターと、初めて参加するリピーターが1対2位の割合だろうか?

約10名がピッチした結果6つのチームが結成された。
あと2日間でどんなドラマが生まれて、どんなサービスが出来上がるのだろうか?
楽しみでしょうがない。とにかく、参加者のみんなには、楽しんで欲しい。では、がんばって残り2日間enjoyして下さい。

オールブラックが教えてくれた"enjoy"すること 『Startup Weekendは楽しいの?シンドイの?』

 楽天の日本シリーズ制覇の興奮覚めやらないところだが、個人的には楽天優勝の前日に見た世界一のNZ代表ラグビーチーム『オールブラックス』対日本代表の興奮もまだ覚めていない。

オールブラックを見ていて思い出したことがあるので、あと2週間を切った『Startup Weekend Kyoto』に絡めて書いてみる。

 

オールブラックが来日して思い出した”enjoy"するということ 

 

 大学3年生の時だから、もう20年以上も前のことだ。当時からダントツで世界一だったオールブラックスのコーチを務めていた方が来日していて、たしかだれかOBの方のつてだったと記憶しているのだが、試合前の2日間ほど指導を受けたことがあった。

 非常にありがたい話で、当時決して強豪校とは言えない大学のチームを指導して頂いたうえにリーグ戦を観戦してくださったのだ。残念ながら世界一のコーチのかいなく、この試合には敗れてしまった。さらに、試合が終わったあと、このコーチが発した一言に私は自分の耳を疑った。

 “Did you enjoy?"

 試合には僅差で敗れ、確かこの試合が4年生の引退試合だったと記憶している、そのような状態「楽しいわけないやろ?」すぐさまそのように思った。

だが、彼は続けてこう言ったのだ。「力を全て出し切りましたか?」と。“enjoy"とは笑うような楽しいことではなく、持っている全ての力を出し切ることだそう教えられたのだった。

 さらに後になって自分が身を持って知ったのは、“Did you enjoy?" この問いに”Yes"と答えようと思ったら、その試合だけでなく、練習や体調管理、相手の分析など勝つためにやるべきことをやりきらなければ、そう答えられないということだ。20数年ぶりに来日したオールブラックスを見て改めて“enjoy"することの重要性を思い出した。

 

『Startup Weekendは楽しいの?シンドイの?』

 

 Startup Weekend Kyotoがあと2週間に迫ってきた。先日、Startup Weekend JapanのFacebookのタイムラインに代表のLeeに対してエンジニアがStartup Weekendに参加したがらない訳というような記載があった。非常に分かりやすく誤解を招く言い方をすると、『口のうまい営業にこきつかれて、本来やりたい(発揮したい能力)を発揮できない。だからエンジニアは参加したがらない。』というような趣旨であった。

 

 これって結構問題だと思った。実際にIT企業って、エンジニアが自分の作りたいものを作ってビジネスに出来る。それが良さだと思う。『本当に自分が作りたいもの=世の中の人が求めているもの』になった時にビジネス化出来るチャンスになって、Startupに繋がるだと思う。でも、食わず嫌いというか、そういう固定観念を多くの人が持ってしまうとせっかく、ITのStartupやMakersといった、実際に手を動かす人がイニシアティブを持つ社会をもっと広めたいというのもStartup Weekendの意義だと思っている。それだけに、『これってなんとかせんといかんな。』と思っている。

 

 僕自身は、Startup Weekendって面白い、楽しいってずっと言い続けている。けどいろんな人を誘った時、やはり拘束時間も長いし充実しているけどシンドイって言われることも結構ある。実際には、参加してみないと分からないことが多いし、自分自身がうまく魅力を伝えきれていないと感じることも多い。で、タイトルの質問『Startup Weekendは楽しいの?シンドイの?』の答えだが、やっぱりどちらもイエスなんだと思う。そんなドMなイベントが面白いのかと言われるてもやっぱり面白いのだ。

本当に起業ってしてみたら困難の連続だしどんなに好きでも、どんなに社会的使命のあることでもやり抜くってやっぱりシンドイことだと思う。ここでは、そんな体験すなわち“enjoy"して欲しいのだ。

 

このイベントに関わる人みんなが”enjoy"して欲しい

 

 さて、と言いつつも運営をやる立場もかなりシンドイ。当然日常は、別に仕事をしているし、ジャッジ、メンター、スポンサー集めから参加者集め、会場手配などなど多くのメンバーが頑張ってくれている。

でも、TEDxKyotoに参加して、経験した本当のホスピタリティーって参加する人だけでなく、運営するスタッフも楽しめないと本当にいいイベントにはならないと思う。今回は、結構がんばってVCのスポンサーやジャッジやメンターの充実を図った。京都では、ようこんなメンバー集まったなーというくらいすでに有名な人から、これから売り出し中となる人まで多彩なメンバーが集まってくれる。自分自身、何か新しいものが生まれるのではとワクワクしている。

 

今からでも遅くないので、是非エントリーしてこのイベントを“enjoy”してみませんか?

 お申し込みは、こちらから

  http://kyoto.startupweekend.org/

またまた、Startup Weekend Kyoto VO6を開催します。

6回目を迎えて初心に戻る

 11月第2週、第3週。この週は、GEW(世界起業家週間)の一環として世界中でStartup Weekendが開催される。しかも、毎年11月のイベントはGrobal Battleとして全世界でNO1を決めるイベントして開催される。

 当然のように、今回も京都での開催の要請があった。しかし、前回の開催時に集客がうまくいかず、過去最低の参加者数であったことから、何かを変えて、何かを変えないそうしないと今後の継続性が難しいと感じた。では、一体何を変えるのか?何を変えないのか?それを決めるには、初心に戻ることが重要なのでは?と考えた。では、初心とは何なのか?活動をスタートさせる段階ではまだ確たるものは思い浮かばない中とりあえず手探りでキックオフを開始することにした。

 

京都のStartupを盛り上げたいと思っている熱い思いを持った人達が集う

 従来、スタッフ集めというのはあまり真剣にやってこなかった。というよりそこまで時間を割くことが出来なかった。イベントを成立させるには、スポンサー、ジャッジ、メンターの手配、会場確保、そして参加者集めと様々な活動が必要だ。HPの更新作業もある。この多くの部分を限られた2~3人のスタッフでこなしてきた。ひょっとすると時間を割くことが出来なかったというのは言い訳で実際には、従来のスタッフと同じ気持ちでやれるのか?といった思い上がった考えがあったのかも知れない。

 しかし、今回は回数を重ねてきた良い影響なのだろうが積極的にスタッフとして関与したいとの思いで参加して頂ける方々が出てきた。その面々が集まったミーティングでは熱い議論が交わされ、今までになかった発想、アイデアが多数出てきた。

 この時に、感じたのが京都のStartupを盛り上げたいという熱い思いを持った人達はまだまだ、たくさんいるということであった。

 

学生メンバーに教えられた“初心”とは?

 第2回のミーティングには、学生のビジコンを主催している団体のメンバーやプログラミング集団のメンバーも加わってもらった。そこで、自分が発したここからどうやって事業化できるモデルを作るかという意見に対して、参加している学生のメンバーから「それって必要なんでしょうか?Startup Weekendって起業の体験をしていい仲間を作るってことじゃないんでしょうか?」という発言を聞いて愕然とした。これこそStartup Weekendの原点であり“初心”なのではないかと。

 正直、回数を重ねるごとにどうすればもっと良いイベントになるか?同時にイベントの知名度が上がるのか?ということを考えてきた。そのためには、リアルの起業に近い活動を3日間で終わらせることなく、成功するStartupを輩出することが重要だと思うようになっていた。シリコンバレーの研修やアジアのカンファレンスへの参加権なども参加者のモチベーションを上げると同時にそういった成功者を生み出すことにも繋がるという考えがあったからに他ならない。

 しかし、正直この学生メンバーの一言はまだ3年前に日本中のだれもがそんなにStartup Weekendを知らない時に、日本でこのイベントを始めたJonny Liが話していたことを思い出させた。当時、彼が口にしていたのは「日本人は、簡単に起業出来ない。欧米でも最初から成功する人はほとんどいない。ならば、日本人はどこでそれを経験するの?Startup Weekendは、そんな体験ができるイベントです。」と。

 

では何を変えて、何を変えないのか?

 実は、この答は今回のイベントだけでは全く答えが出ないでは?とも思っている。とは言え、上にも書いたスタッフの拡充だとか、新しく加わってくれたスタッフの提案する広報についての新たな取り組みなど小さな部分では変更を加えている。ただ、根本的に変えたくないと思っているのは、京都の起業家であるジャッジやメンターの方との交流を通じて京都流のStartupを体現してもらうということだ。京都のStartupにまつわる環境を改善したいとは思っているものの、是非京都でStartupしたいと思ってもらえる人達を増やしていきたいそう思っている。

 

 最後に“初心”として考えるべきことは、Startup Weekend Kyotoを盛り上げるのではなく、京都のStartupを盛り上げることで日本のStartupいや経済全体を盛り上げていきたいということだ。

 

 最新情報は、こちら https://www.facebook.com/swkyoto

 申し込みはこちらから http://kyoto.startupweekend.org/

 

 

 

TEDx Kyotoで感じたこと

TEDxKyotoにか参加した。凄く多くの刺激を受けたのでここに描き残したいと思う。「TEDって凄く面白いんですよね。だから京都でやろうと思うんですよ!」確か2年前に近藤さんがそんな感じで語っていたのを思いだす。去年は、残念ながら所要で参加出来なかったが今年は、少し明確な目的もあり参加することにした。その目的とは、ベンチャー起業家に必要なプレゼン力を学ぶことであった。若干の予習として、海外の名場面というか、素晴らしいプレゼンを見てある程度こんなものかなというイメージを持っていた。

 

当日、会場に行って驚いたのが物凄い数のボランティアスタッフだ。ここには、知り合いも何人かいて、そう違和感なく参加者の一人となれた。今思うと、ボランティアスタッフが皆いきいきとしてたのは後から気づいたことだ。ファウンダーのJayさんから「enjoyしてね。」と言われた言葉もそんなに重くは受け止めなかった。兎に角、自分にとってはごくごく自然にイベントに溶け込んでいった。

内容自身は、オフィシャルでビデオが公開されているので是非そちらを見て欲しい。正直全然今まで興味のなかったテーマもあったしプログラムだけみればこれはショーなのか?それともプレゼンイベントなのか?そんな疑問を抱くかも知れない。だが、正直あの場にいれば、そんな事を全く気にすることはなかった。スタンディングオベーションって別に要求されたりするんじゃなくって、本当に素晴らしいって感じると自然に立ち上がって手を叩くそんな体験は正直始めてだった。そういう空気感というか、一体感そういったものを感じることが出来た。ここに、自分自身が本当に参加しているという一体感を感じることが出来たのだ。それも決して演者やスタッフに要求されたのではなくごくごく自然にそう感じることが出来た。

 

さて、今回のイベントについて感じたことは以下の通りだ。

来年、再来年にはこのイベントを通じて是非発信したいという人が増えてくるだろうという事だ。しかも、このイベントのポリシーである制約が発表のレベルを引き上げることだろう。テレパシーの井口さんが語っている「ideas worth spreading」

http://takahito.hatenablog.com/entry/2013/10/01/120648

を突き詰めるということには、サービスや自分の主張の本源的価値を見出させるのではないかと感じた。

もう一つは、ボランティアスタッフが参加者にエンジョイしながらサービスしていたこと。こういうことがイベントを成功させる原動力だと感じた。彼らはほとんどこんな有意義な講演やエンターテイメントを生では見ていない。リハで見たとは、聞いたがやはり多くの観客の前でアドレナリン分泌しまくりで見るのとは全く違うだろう。それでも、彼ら自身が最大限に楽しみながら来場者へサービスをしていた。これぞまさに演者、観客、スタッフが一体となったイベントと言えるのではなかろうか?故に自分も見に行ってのではなく、参加したと表現しているのだ。来年も是非参加したい、そう思っている。

 

 

イノベーションの作法

「イノベーションの作法」という少し古い本を読んだ。イノベーターは、学びによって産み出せることが出来るのか、この命題の答えを探してイノベーターのストーリーを追い続けている。そんな中で出会った1冊について、少しまとめてみたいと思う。

 

「イノベーションの数だけイノベーターの物語がある」

この本に登場するのは、ジョブズやザッカバーグのようなベンチャーの起業家だけではない。マツダのロードスターや、サントリーの伊右衛門やシャープのヘルシオの開発担当者など大手企業や近大、アルビレックス新潟、帯広の北の屋台など様々な企業や団体が登場している。この本に取り上げられている数少ないベンチャーが近藤さん率いるはてなというのは、何かの縁かも知れない。

自分は、どちらかというとイノベーションというのはベンチャーの専売特許と思っていたきらいがあるのだが、大手企業や公的な組織からもイノベーションは生まれているのだということを認識した。まさに、イノベーションの数だけイノベーターの物語があるということだ。

 

「大手企業が作り出すイノベーションとベンチャーの起こすイノベーションの違い」

それでも、大手企業とベンチャー企業のどちらの方がイノベーションを生み出しやすいのかといえばやはり圧倒的にベンチャーであるというのは事実だろう。この本のなかで語られている大手企業のイノベーターの物語の中には、何年もかかって作り出したもの、運よく日の目を見たがいつ潰れていてもおかしくないものが少なくない。それを乗り越えるために「清濁あわせのむ政治力」や「マキアヴェリ的なリアリズム」が重要であると述べられている。しかし、「いいと思ったことをスピーディーに実行できる」ベンチャー企業ならそういった苦労はそこまで必要ではないからだと思うからである。

但し、大手企業が産み出すイノベーションはそれらの“産みの苦しみ”を乗り越えているため非常に力強く、またお金を掛けられるという利点がある。このため、当たると大ヒットに繋がる可能性が高いといえるのではないだろうか。

これに対して、ベンチャーには、そんなに時間を掛ける余裕はない。だが、逆にへんな社内対立などが少なく。実現へのハードルは、大手企業に比べると低いのではなかろうか?故に、スピーディーにユーザーの本質的ニーズを捉えたサービス(製品)を産み出すことが必要になる。

 

「重要なのは、自分の信念や価値観を信じる主観的な思い」

誤解の無いように、予め申し上げると市場分析が無意味だと言っているわけではない。自分の信念や価値観に、思い入れが強すぎて実際のユーザーの本質的ニーズとかけ離れていることは少なくない。このため、市場分析やユーザー調査は必要である。

しかし、過度に市場調査に依存し市場調査の結果に迎合したりユーザーの表面的なニーズにそのまましたがってしまうことは言語道断である。本来は、市場調査やユーザーヒアリングとは、自分の信念や価値観に間違いがないという検証や自分達では気付きもしない別の価値観を教わる場として活用するべきでなのである。

 

「生き方」を確立できた人間のみがイノベーションを起こせる

この本に書いてあるこの部分に全てが凝縮されているのではなかろうか?

『自分は何をやりたいのか、そもそも自分は何のために存在するのかと自らに問い、悩む中で生き方を見定める。自らの生き方を確立しない限り、人間にはものごとを主体的に考えたり、新しいものを想像することはできず、ましてや環境を変えるほどのイノベーションを起こせない。イノベーターとして真にリーダーになれる人材とそうでない人材の境目は、最終的にその一点にある。』

 

少し古い本ではあるが、イノベーションに興味のある方には是非手にとって頂きたい一冊です。

イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学

 

 

 

半沢直樹

日曜劇場の『半沢直樹』が大人気だ。確かに、「倍返しだー!」という台詞は爽快だ。自分はもう、8年以上も前に銀行を辞めているのだがやっぱりよく聞かれるのでちょっと自分の知っている範囲で書いておこうと思う。

 

「国税におかまっているの?」

LOVEリンこと片岡愛之助演じる彼のことを言っているのだが、当然おかまの国税査察官には、会ったことがない。但し、査察に来る国税の調査官はおしなべてあんな態度でやってくる。銀行が国税に来るのは、任意調査と査察の大きく2つに大別される。任意調査は文字通り「よろしければ、教えて欲しいのですが?」という感じなのであそこまで厳しくないし、ターゲットを定めている訳ではない。だから、銀行の方も手馴れた担当者なら、まず任意調査ですねと念押しをする。

だが、査察となると話は別だ。ドラマのように朝一番で開店前にやって来る。そして、すべての机やロッカーに封印を張っていき、許可するまで電話も外出も駄目と言われる。さらに許可するまで身動きするなと言われる。それを知らずに開店準備をしようとしていた新入行員が、女性査察官に『だるまさんが転んだ』の如く「あなた、動くなって言ってるでしょ!」と恫喝されたのを目の当たりにしたことがある。

 

「上司に責任擦り付けられたりするの?」

通常は、判子を押した人間には皆責任が掛かる。故にあんなに一融資課長が大きく責任を問われることはないと思う。しかし、割りとリアルなのは「裁量臨店」。これはひょっとすると銀行によって名称が違うのかもしれない。確か、私の旧出身銀行では貸考(貸出考査)と呼ばれていた。本部から臨店に来て、貸出の稟議や書類、管理状況などをチェックしていた。やはり、ロスや事故があれば注意が必要な検査だった。タイトルの質問だが、私は、基本的には人を嵌めるほども、嵌められるほども偉くなかったので分からない。トカゲの尻尾きりというのは、どこに行ってもある話では?その程度しか正直知らない。割りと人間的な上司が多かったので、経験がなかっただけかも知れない。まあはしごを外されるくらいなら、何度も経験したがドラマのような酷いケースは経験がない。

 

「倍返しだー!って言ってました?」

当然、そんなの言ったことありません。言えてたら辞めてなかったかな。まあもう一つ言うと、倍で返してもらう必要がないので。あくまで、銀行って元本と利息を“キッチリ”払ってもらうところ。それ以上は必要ない。ただ、ちょっと真面目な話で言うとここまで金利が低いと当然に銀行の利幅って少なくなる。それは、お金をかしても、預けても一緒なので利幅が薄ければ安全に多く貸すことしか考えられなくなる。今の銀行が、ベンチャーや中小企業のリスキーな案件にお金を出したがらないのはそういう理由だ。だからと言って、そう言った案件にお金を出さなければ世の中がよくならない。本来大銀行たるもの、『世の中をよくして自分達が儲ける。』そんな気概が欲しいところだが・・・。

 

半沢直樹が何故受けるのか?

やはり6割程度のリアリティーと、たぶん多くの銀行員(ヒエラルキー社会と言う意味ではサラリーマンも同じか)がこんな風にできたらいいな、こんな世界があればいいな、が繰り広げられていてそこが視聴者を惹きつけるのだろうと思う。

リアリティーという意味でいけば、冒頭に半沢直樹が町工場の技術力に注目して融資を行うシーンが出てくる。あれは、少なくとも過去には現実的にあった話だ。そういう年に1回かあるかないかの自分でも納得出来るような話を実現するために頑張っていたように思う。自分は、そういったロマンが持てずに銀行を辞めたが、今も同じ志で頑張っている人たちも残っている。

 

片道切符の出向についても、聞かれる。そんなに絶望的なものかと。しかし、銀行員にとってはたぶんそうだろう。銀行員というのは、ある種の特殊な仕事で残念ながらあまりそのまま使える技能というのはあまりない。描かれている出向先は、グループ企業とかではないので、取引先として能力だけは大きく期待されるが、政治的な思惑があり本心では歓迎されないケースが多い。特にエリートとして期待に応えてきた人間がそういったところに行くのは辛いことだろう。

 

そんな環境で頑張っている人に言えるのは、辛抱しきれなくなったら『倍返しだー!』って辞めてみれば?ってことかな。その気になれば銀行員の特殊能力が必要なベンチャー企業、中小企業はけっこうあって、そんな気概を持った人材はけっこう貴重だったりするのだから。

 

そうそう、銀行のそういうドロドロとしたのをもっと知りたい人には、こちらをお勧めします。

金融腐蝕列島(上): 1 (角川文庫)

 

 

 

Startup Weekend Kyoto 番外編②

Startup Weekendが終わって1週間が経った。例年、この時期バーンアウト気味かつお盆前で集中力が切れがちになる。今年は、顕著なようで昨日から体がだるくどうやら夏風邪のようだ。基本風邪は、気合と免疫力で治すタイプなのでいつまでもウダウダせずに元気を出してブログのほうも続けていこうと思う。

 

さて、番外編としてどーしても書きたかったことがある。毎回生まれる、今村さんの名言だ。今回はチームリーダーに関する『ルパン三世』の名言だ。

「ルパンの窃盗団は、ルパンがリーダーだからうまくいくのであって次元、五ェ門、不二子はその道では超一流だが決してルパン窃盗団のリーダーにはならない。ルパンは拳銃も撃ち、たまに斬鉄剣も振ったりするけどけっして次元や五ェ門にはかなわない。しかし、リーダーがルパンだからこそうまくいく。」

 

「ベンチャーのStartupは、スーパースターチームであるべきではないか?」この問いは私が発したものだが、意図としては少なくとも成功を目指すならば自分の知っている範囲内で最高の能力(スキルではない)を持つ人間でチームを組むべきでは?と考えたからである。この問いに関しては、「組織が戦略に優先するのか?戦略が組織に優先するのか?この永遠に終わることのない議論に終始するだろう。でも個人的には、そのチームが何を目的にするのか?どんな関係であり、どこを目指すのか?そう考えると自ずと答えは見えてくるような気がする。」たぶんこんな感じの答えだったと思う。

自分なりの理解では、スパースターチームはスーパースター同士気の合うことが多く成功を目指すという中で強い絆で結ばれることもある。それがよければ、それで良いだろうし、Startup に参加するメンバーがそれぞれどんな目的を持って何に満足を見出すか?それによっても違う。そんなところだろう?

 

チームの話が出たので、もう一つ自分なりに思うことを書いておきたい。よく、メンターやジャッジから何故もっとはやくプロダクトを作らないのか?という声がある。これを自分なりに分析したところ、こう言っている人は大抵自身が優秀なプログラマーか、チームにそういったメンバーを抱えている人が多いように思う。つまり、仮説を検証するために実際に町に出て声を聞くのにある程度のプロトタイプが実際に作れるケースが多いのではないだろうか?当然、漠然としたインタビューを行うより実際にものを見せたほうが有効だし、そうできるにこしたことはない。だから、まず仮説を検証するために町に出るのか?それとも、同時並行的にプロダクトを作るのか?それは、そのとき集まったメンバーによってかわってよいと思う。優秀なプログラマーがいて、短時間で作ることが出来るならそうすべきだし、そうでなければその必要はないだろう。つまり、まず自分達のチームのメンバーの実力について正確に把握しておくことが非常に重要だということだ。

毎回、言うのだがメンターやファシリテーター、ましてオーガナイザーの言うことなどその通りにする必要はない。(当然、皆親身でアドバイスしているのだが・・・)なぜなら実際起業をすれば、そのモデルが面白ければ、面白いほど善意の協力者が現れる。その何を受け入れて、何を切り捨てるのかそれがうまくいかなければ決して事業は成功しないからだ。そういった場面に出くわすたびに言うようにしている。「これぞ Real Startup。こんな体験、机上の起業論の勉強や他のビジネスプランコンテストじゃ出来ないでしょ?」と。

随分、身勝手な意見かも知れないが、現実はそれぐらい厳しい。でも、こんなに苦しいけれど楽しいそんな体験を是非多くの人達に体験をして欲しいと思ってやまない。

こんな、少しMっ気の強いイベントにチャレンジする猛者の参加をお待ちしている。