130386Raのスタートアップな日々

2010年からスタートアップのサポーターとして活動してきた記録と、サポーターに飽き足らず50歳を過ぎてプレイヤーサイドに身を投じたへそ曲がりなおじさんがスタートアップについて諸々お伝えしているブログです。

サイエンス・サポーター株式会社が『Innovation Gallery』を本日 ローンチ

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本日(8月4日)サービスリリース

私がサポートしているStartupのサイエンス・サポーター株式会社が『Innovation Gallery』というサービスをローンチしました。

このサービスは、アカデミアの研究者と企業や科学技術などの研究に興味を持つ人達をつなぎ合わせて交流させるサイトと考えて頂ければ良いだろう。この会社は、中小企業で大学との共同研究に携わり、その後大学の教員及び知的財産担当としても企業との共同研究に従事した青野社長が設立した企業だ。

彼の問題意識としては、若手の研究者やメジャーではない日の当らない研究者が満足な研究資金を得られず十分な成果を生み出されない現状を打破出来ないだろうかというものだ。翻って、大学や様々な機関の研究者と共同で研究や開発を進めるにしてもあまりに情報が乏しいという現状を自らの経験から実感していた。ならばこの両者のミスマッチを解消したいとの想いでこの会社を設立したのだ。当初彼からこの構想を聞いたのは確か約1年前に遡る。共同創業者となるメンバー集めや、事業構想の具体化、そしてパートナーとの開発を経て今日のローンチの日を迎えたのだ。

 

多くの研究者にとって厳しい現実

では、現在の研究者の状況とはどんなものなのか?

ご存じの方もいらっしゃるかも知れないが多くの研究者は、その資金科研費というものに頼っている。これは、大学でそれなりのステータスを築いているメジャーな研究者のところに集中するため、上述の若手の研究者やメジャーでない研究をしている研究者にとっては手の届きにくいものだ。

それ以外の方法としては、一般からの寄付や共同研究、開発といった方法もあるのだがそれには世の中の多くの人達に知ってもらう必要がある。しかしながら現状その効果的な方法がほとんど存在しないというのが実情だ。確かに、各大学が作っている研究者データーベースなども存在するにはするのだが、研究論文や専門用語が多くとても一般人や研究会開発部門を持たない中小企業からすればほとんど理解不能といっても良いというのが実情だろう。当然、そういった問題意識はやる気のある研究者側にもあり、独自のHPを立ち上げたり様々な努力を行なっているものの、WEBでのPRなど得意でなく、時間をかけて作り上げてもまったく見られないケースも多く、研究者の本来のニーズとしてはミッションである研究に没頭して結果を出したいということなのだという。

かつて、IPS細胞でノーベル賞を受賞した山中教授も研究資金の募金を募るためにマラソンを走ったりしたことがあるし、現在注目を浴びている希少糖の研究者である阿森教授も当初は、まったく見向きもされず研究継続自体危ぶまれていたという話を聞いている。たまたま、山中教授や阿森教授はその後研究が脚光を浴びたがこういった例はごく一部でしかないだろう。

 

サイエンスサポーターをサポートする個人的な想い

サイエンスサポーターの事業をサポートするのには、少し個人的な想いもある。

実は、私の祖父(2人いるのだが)は研究者と中小企業(製造業)の経営者という、彼らが支援しようとしている立場だったのだ。今でも、私は二人の祖父を尊敬していて、よく思い出す。研究者をしていた方の祖父は比較的大きな企業にいたので資金難になるというような事はなかったようだ。それでも研究の成果を出すには膨大な時間を要し、功績を認められるにはさらに長い時間を要したと聞いている。中小企業を経営していた方の祖父は、事業が軌道に乗るまでに資金やらなんやらそうとう苦労したらしい。これは随分最近に聞いた話なのだが、この祖父の会社は、大学の先生から技術指導を受けて技術を確立し製品化をしたということだ。もし、こういった縁が無ければそもそも、自分は生まれていなかったかも知れないとも思う。

それでも、この祖父2人はまだ運の良い方だったのでは思う。今、本当に世の中にとって必要であるにも関わらず脚光を浴びていないため資金が得られない研究者や良い研究者と出会えればブレークスルー出来る企業が世の中には数多く存在しているのならそれを解消させる事業を手伝うというのは、自分の天命ではないかと感じている。

 

さらに、自分自身の経験も重ね合わせている。3年くらい前にサポートしている企業から共同研究をしてくれる先生を探し欲しいとの打診があった。経済産業省のサポインの補助金を受けるのに開発している技術について補完してくれる共同研究者が必要だということであった。当然、『Innovation Gallery』のようなサイトはなく、各大学の研究者データベースを開けたり、閉じたりを繰り返したり、キーワードをいくつも放り込んでググってみたりを繰り返したりした。当然に、非常に多くの時間と労力を費やしこととなった。この時に、なんか『こんな自分の探している研究者を一発で探せるサービスないんやろか?』と純粋に思ったのだ。

 

さて、そんな彼らのサービスがいよいよローンチした。

まずは、多くの研究者や研究者を探している企業や個人の方々に使って頂きたい。そして、将来的にはもっともっと多くの人達がアカデミアの研究に興味をもって頂きたいと考えている。

 

 

Startup Weekend Osaka Womenで学んだこと2

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さて、前回のブログのタイトルを『Startup Weekend Osaka Womenで学んだこと1』にしたので、必然的に前回書き足りなかったことを今回続編として書いてみたい。

 

Startup Weekendに参加して初めて分かるコミュニティーの力の重要性

これから、書くことは今回のイベントに参加して初めて発見したことではない。ただ、以前からぼんやり考えていたことを再認識させられたのでぜひ書いておきたいと思う。

Startup Weekendに参加して一番得られるものとは、きっとこのイベントに関わる人達との繋がりである。そう思っている。同じチームで活動した色濃い繋がりは当然の事だが、同じ目的のもとに集まり、週末の三日間に同じ息を吸い、同じものを飲み、そして同じものを食うそういう貴重な経験というのはそうあることではないだろう。これは、オーガナイザーチームの運営チームやゲスト、メンター、ジャッジを含めてのことだと思っている。極論を言えば、この三日間で直接話していなくても、ここに参加したメンバーはあの時一緒に同じ時間を過ごしたというだけですぐに仲間になれるそう思っていただいたらいいだろう。

事実、自分は京都で6回このイベントに関わらせて頂いているが過去の参加者の方から新しいスタートアップやベンチャーに参加していて何か一緒に出来ないですか?という相談を受けることが度々ある。また、私自身がサポートしているスタートアップやビジネスについてメンターやジャッジの方に相談させて頂いたりしている。当然、相談を受けて頂くメンターやジャッジの方も嫌な顔一つせず適切にお聞き頂いている。

こんなことって実は、人の紹介とかちょっと名刺交換しただけでは実現しない関係であるのではと思っている。(つまり、Startup Weekendっていうコミュニティーに入って得られるものだと思う)

 

では、何故Startup Weekendはコミュニティーになっているのか?

そもそも、コミュニティー(いわゆる、有益な交流が出来るという意味の)ってどういうものなのか少し考えてみた。結果、コミュニティーとは以下のような条件を満たしてるものなのだという自分なりの結論に至った。

 

1、参加者が自発的に活動に参加していること

Startup Weekendは、週末の三日間を使ってイベントが開催される。おそらく、普通の多くの人達は、休みをつぶしてそれにお金を払って参加している。それから、考えるとまずこの点には異論はないと思う。

 

2、参加者が同じ目的で全力で(真剣に)参加していること

Startup Weekendは、三日間でリアルに起業するわけだ。参加者にとっては、起業するということだし、運営者やメンター、ジャッジから見れば起業させるということが目的となる。初日の段階では、参加者の意欲に関しては当然個人差がある。しかし、面白いのは三日間を過ごすうちにこれらの差が劇的に埋まっていくというのもこのイベントの面白みと言えるだろう。

 

個人的な意見で言うと、今世界を動かしているのはStartup Weekendに限らないこういったコミュニティーの力なのではと考えている。インターネットの伸展で、世界が簡単に繋がることが出来き、様々な多様性が認めらる社会の中では、一企業や固定されたグループでは新たな価値を提供することが困難になってきているのでは?と考える。一見合理的に思える官僚的な組織や思考の下では、制約や固定観念が強く変化の激しい時代に新たな価値を創造するのは至難の業と言わざるを得ないと思うのだ。

つまり、新たな価値を創造するにはStartup Weekendのような有益なコミュニティーに

参加し、目的に応じて色々なメンバーを集めてチームを組むことによって生み出されるのではないかそう思っている。

 

最後に付け加えておくと、Startup Weekendは地域でのコミュニティーをベースとしつつ、その気になれば日本中いや世界中のStartup Weekendの参加者や関係者と繋がることが出来る。今回ご参加頂いた方、今後参加される方はぜひそういったアクションを試みて頂きたいと思う。

Startup Weekend Osaka Womenで学んだこと 1

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すでに、こちらでも書いた通り先週末7月18日~20日に開催されたStartup Weekend Osaka Womenを少しお手伝いさせて頂いた。ここでいくつかの学びがあったので書いておきたいと思う。

 

Startup Weekendは起業を体験するイベントでなく起業するイベント

 

「Startup Weekend」には、ルールはありません。

(知ってる人はここはLeeっぽく読んで下さい。)

これは、イベントに先駆けて行われた事前説明会で、NPOの代表のLeeが言った言葉だ。まったく、ルールがないわけではない。ピッチは2つ以上しちゃだめとか、既成のチームで参加するなとか、そういった細かいルールは当然ある。しかし、基本Startupしてしまえば法律や一般的な慣習を守ればほぼなんでもありである。要は、このイベントでは、お金を払って調査をしようが、外部のプログラマーを使おうが、デザイナーに協力してもらおうが自由というわけだ。合言葉は、No Talk! All Actionだから兎に角何をやってでも54時間で最高のアウトプットを行なう。それが、最終の目的だ。

 

仮説を検証するということ

 

兎に角、このイベントでは仮説を検証するプロセスなしでは語れない。何度もイベントをオーガナイズしておいて、お恥ずかしいのだが今回、この仮説検証については3つの仮説検証が必要になるであろうということに気づいた。その3つについて書いてみたいと思う。

 

まず、一番目としてそもそも、『そのビジネスアイデアにニーズがあるのか?』ということである。つまり誰のどんな問題を解決するのかという部分だ。当然、投票で選ばれるアイデアだし練りに練ったアイデアだからニーズがあることは確かだと思う。しかし、ビジネスとして考えたときにあまりにもスケールが小さすぎたりしないか?問題と思っているが、それほど深刻な問題ではなかったりしないのかという部分の検証が必要だ。

 

二番目に検証しなくては、ならないのが『その解決方法は正しいのか?』ということだ。ニーズがある問題に対しての解決方法を提示していても、その方法が間違っていると問題を正しく解決できないことがある。これは、このイベントで陥りやすい罠かも知れない。なぜなら解決方法は、WEBやアプリである必要がないからである。本当は、対面で一つ一つ対応する方が本質的な問題解決に繋がるのにアプリやWEBサイトでやろうとしたばっかりにうまくいかないどんな事例もあるのではないだろうか?

 

最後に検証すべきは、プロダクトの検証だ。基本的に、問題解決を図る場合には何か競合するものが存在すると考えた方が良いだろう。それは、楽天市場amazonのような直接の競合だけではない。テレビとスマホ、漫画とゲームのような遊びの時間を奪い合うような形の競合もあり得るからだ。そこで、重要になってくるのがUXだろう。楽しさや触りやすさ、心地よさなどの使い勝手の部分が大きく影響してくる。ここが、競合部分より優れていてはじめて勝ち抜けるサービスになるということだ。

 

今まで、それをすべて完璧にやりこなしたチームはまだ見たことはない。

次の京都では、そこまでやりきるチームが出てきてくれることを期待したいと思う。

 参加者希望の方はまだまだ、申込み大歓迎です。

   http://kyoto.startupweekend.org/

 

関西初 『女性の、女性による、女性のためのStartup Weekend』開催

関西初というより全国でも2回目の女性イベント

 

7月18日~20日にかけて、Startup Weekend Osaka Womenが開催される。このイベントは先日東京で開催された女性イベントを関西で開催するものだ。このイベントのリードオーガナイザーも女性が務めている。しかも、Startup Weekendのオーガナイザーを初めて務めるそうだ。そういった意味で、表題のようなタイトルにしてみたのだが是非この試みがうまくいって欲しいと思っている。そのあたりの思いについて少し書いてみたいと思う。

 

女性参加者に対する期待

 

過去に京都で開催してきたStartup Weekendでも女性の参加者がいなかったわけではないし、昨今女性の起業家が活躍している。しかし、過去のイベントではどちらかというと女性は自分でアイデアピッチするのではなく、誰かが発表したアイデアにJoinするという方が多かったように思う。世の中の解決しなくてはならない問題には多くの女性が関わっているし、その解決方法も女性ならでは目線があった方が良いに決まっている。けれでも、Startup Weekendの参加者の大多数は男性であり、女性ならではの問題や女性にしか分からない感性みたいなものについて「理解されないのではないだろうか?」と思っても全く不思議はない。

ちなみに言うと、私自信は学生onlyとか女性onlyといったカテゴライズされたイベントをものすごく増やしたいと思っているわけではない。やっぱり、学生や社会人、女性やフリーランスなど価値観の違う人達が混じりあうことによる化学反応みたいなのが大好きだし、それがイベント後も続いていくのがベストだと思っている。但し、学生イベントを開催した時に思ったのが、最初のハードルの高さというか、なかなか気軽に参加しづらい雰囲気はあるのだろうなと思っている。そういった意味で今回女性しかピッチ出来ないという何か共通項というか、気軽さを感じて参加して頂ければ非常にありがいと思っている。

そして、関西ならではコテコテのアイデアが出てくることを期待してやまない。(当然洗練されたLadyならではのアイデアも・・・)

 

イベントについては、概要もだんだん固まってきてきており、ジャッジにはずぶの素人からネットショップを始めて楽天のベストショップに選ばれるまでに成長されたリトルムーン http://www.littlemoon.co.jp/ の文美月さん コーチには、リーンスタートアップジャパンの和波さんなどが決定しており、今後も多彩なメンバーが集まると思う。

ご興味のある方は、下記を見て是非お申込み下さい。

http://osaka.startupweekend.org/

 

最後に男性の方に朗報を・・・

今回のイベントでピッチは出来ないけれど、プログラミングやデザインなどのプロフェッショナルな方は参加OKだそうです。

 

 

STARTUP KANSAI 復活イベントに参加してきましたー

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4月26日に2年間ほど中断していたSTARTUP KANSAIの復活イベントに参加した。このイベントはU35の起業家達が、投資家や支援者たちと交流するイベントとしてスタートし大阪や京都などで行われてきた。参加する起業家もITベンチャーだけでなく、デザイン系やアパレル系など多岐に渡り、色々な交流を生み出してきた。様々な事情で2年ほどブランクがあったが復活するというので顔を出させて頂いた。

 

起業までの経緯が非常に対照的な起業家の興味深いお話

今回のイベントでは、2人の起業家の方の講演が行われた。主催者が意識してか、せずか分からないが起業までの経緯が対照的であった。

お一人が、飲食業界の人材紹介に特化したCOOKBIZ( http://cookbiz.jp/company/ )の藪ノ賢次氏で一度も就職することなくStrarupし、もう10年以上ベンチャー企業経営一筋の起業家だ。

もうお一人は、NTTから独立し昨年起業したばかりという空色( http://solairo.co.jp/ )の中嶋洋巳氏だ。

両社ともに、関西のイケてるベンチャーとして売り出し中でよくこのお二人に来ていただけたなというのが率直な感想だ。

 

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起業家に求められるモノとは・・・

藪ノさんの講演でもっとも印象的だったのは、このタイトルのお話。起業家に求められるのは以下の3つだそうだ。

①会社のビジョンと戦略を策定し、全てのステークフォルダーに伝える事

②最高の人材を探し出して、採用し、離職を抑えること

③銀行口座に常にお金がある状態にしておくこと

藪ノさんがおっしゃるには、この中にはエンジニアとして優秀な事や営業力があることなどではなく、この3つがあげられていることに注目すべきだというのだ。

特にこのビジョンの部分は非常に重要だという。2番目の項目に繋がっているのだが、ベンチャーでは新卒人材が採るだけの余裕がないので、どうしても中途採用で優秀な人材を採ることになる。いくら優秀でも自分達のやって欲しいことを出来ない人間は必要がないし、長続きしない。だから採用時には、いやというくらい自分達のビジョンや将来像、夢について語るのだそうだ。それに共感してくれる人が大事なのだそうだ。

パネルディスカッションで起業家から出た、「理念をどう作るか?」という質問に対する答えも素晴らしかった。理念とはすこし、大きすぎるくらいのものがちょうど良く、他人に常にしゃべりながらバージョンアップしてしっくりするものにしていけば良いそんな感じの回答であった。自分達が世の中をどう変えるのか?何を良くするのか?この観点の重要さを再認識した。

 

ファクトとリアル

また、藪ノさんの講演でファクト(公になった事実)が大事という話があった。これを受けて中嶋氏が自分のスライドにファクトを入れ込むという早業を披露したのは流石だった。

さて、そのファクトについてであるが他人を説得するには自分の思い込みではなく客観的な事実(データ それも信頼性の高いものがより良いそうだ。)が必要だということだ。ここからは、個人的な意見だが、さらに言うと、それがデータだけでなくユーザーの声などのリアルが伴わなければいけないということだと思う。ファクトなデータだけを盲信しても実は、真のニーズは別のところにあるという事例には事欠かない。だが、他人を説得するにはファクトとリアルこれが伴わないといけないのだと痛感した。

 

他にも書きたいことは、たくさんある。少しオフレコっぽいことや懇親会で飛び出したビジネスに結びつきそうな面白い話など・・・。

それらは、ここでは書けないのでご興味ある方はぜひ次のイベントに参加してみてはいかがでしょうか?

イノベーションを生み出す場について(S.S.I見学日記)

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2月のことだから、もう1か月以上前のことになるのだがSamurai Startup Islandに見学に行った。その感想とあわせてイノベーションを生み出す場について考えてみたので書いておこうと思う。

 

コワーキングスペースとは何が違うのか?

ここには、多くのStartupの起業家が集まっている。そして、オフィスという閉ざされた環境とは異なるオープンなスペースで仕事をしている。そういった意味ではコワーキングスペースとほぼ同じであるとも言える。だが、一番ちがうのはここには起業家と共同創業者それにそれをサポートする人間しかいないということだ。これは、決してどちらが良くて、どちらが悪いと言っている訳ではない。だが、一緒に集まった起業家たちが持つ特有の悩みを共有したり、リソースを貸し借りするのには最適と言えるのではないだろうか?

 

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いつまでここにいるのか?

よくあるインキュベーションスペースのように入居期限が決められているわけではないそうだ。逆に、起業家たちはこぞって早くサービスをローンチさせて社員を増やして必要に迫られてここを出ていくそうだ。逆に、本来的にオフィスを持てるくらいにスケールしていてもこの環境を生かして事業を進めるためにあえてここに留まる人たちもいるという。残念ながらうまくいかず再出発のためにここを後にする人たちもいるようだが基本『来る者拒まず、去る者追わず』というような印象を受けた。

 

スタッフはどこにいるのか?

今回は、榊原さんにお願いしてふらっと行った形で見学をさせてもらった。そのうえで案内させてもらったので、サムライインキュベートに顔見知りの方がいたのにいらっしゃることに全く気付かなかった。というのも、彼らも起業家たちと同じようにオープンなスペースの中に固まってデスクがあるだけで、事情を知らない自分からみれば一起業家かもしくはサポーターの人かな?程度にしか思えなかった。それくらいいい意味で同化しているように感じた。起業家たちと同じ空気を吸って、同じ鼓動を感じることに良さを感じた。そこには、『支援している』というような上から目線を感じなかった。

 

さて本題のイノベーションを生み出す場とは?

イノベーションと言っても色々な形がありそれによって場というのは全く違うのかも知れない。ただ、一つ感じた事としてはStartupが直面する固有の問題(エンジニアがいないとか、デザイナーがいない、お金がないというような)にはそれらを共有したり、リソースを貸し借り出来る仲間が必要だということだ。それも、それを気軽にやり取りするのにはオープンで誰かれなく相談しやすい環境が大事なのではなかろうか。そこにはパーテーションなど必要ないし、例えライバルであろうとも「暇だから手伝おうか?」的なノリの部分も重要なのだと思った。

だが、反面どこかのタイミングで人を増やして雑音のないところで集中してやっていくには従来のオフィスのような場所がやはり必要なのかなとも感じた。要は、フェーズや何をやるかということによってその答えはないのだろうなと改めて感じた。

 

まーそんな事改めて言われなくてもわかるよね。そう言われれば、それまでの話なのかも知れないが自分にとっては何か大きな発見をしたように思ったりしたのだ。

 

最後に、お忙しい中をご案内頂いた安藤さん、そしてこれから新たな挑戦をされる榊原さん本当にありがとうございました。

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Startup Weekend Ritsumeikanに参加してみて

 先週末、21日~23日立命館大学BKCで開催されたStartup Weekend Ritsumeikanに参加したのでその感想を書いてみたいと思う。

 

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何故参加したのか?

 私のことを知っている人は、何故今更参加者に?と思われる方が多いのではないかと思う。知らない人のために書いておくと、『Startup Weekend Kyoto』のオーガナイザーを3年間6回に渡ってやってきた。実は、今のレギュレーションでいくとオーガナイザーは過去にイベント参加の経験があるっていう風になっている。しかし、私はまだそんなルールが出来る前に、日本で東京以外の都市でStartup Weekendが行われた時からオーガナイザーをやっていて、なし崩し的にずっと続けている。心のどこかに、そんな良心の呵責?があったのかも知れない。しかし、京都では運営、雑用などなど手一杯でとてもそんな気にはなれなかった。たまたま、今回は立命館大学の学生で今回イベントのメインのオーガナイザーである毛利君のお手伝い、件スポンサー企業の社員って体で会場に行ったところ、同じ京都のオーガナイザーの山田さんから言われた「参加しないんですか?僕参加しますよ。」という一言でふらっと参加を決めた。ただ、最近とみに思う『Startupの経験がないと、サポートって難しいのかー』という思いが参加を決断させたのかも分からないと思う。

 

さて、どうであったか?

 まずもって、結果だけを書いておくと1分ピッチでは自分のアイデアは採用されず。また、参加したチームも優勝することなく終わった。一言で言うとそれだけ。でも、全くそれだけではなくとても得難い体験が出来たと思う。それで、参加してみて初めて分かったStartupの良さと今後の問題点について書いてみたいと思う。

 

1.Startup Weekend は優勝するのが目的じゃない?

 自分自身もオーガナイザーのときは、そういう風に言う。でも、実際に負けてもいいって思いでじゃビジネスは成功しないだろうし誰よりも効率良くでも勤勉に働かなければ勝機は見えてこない。小手先のテクニックを使って優勝を目指すことは必要がないし、何度も参加すれば審査基準も分かってくるし、なんとなくどうすれば勝てるかが分かってくる。でも、それは本来はイベント審査基準だから必要なのではなく、Starupを立ち上げて軌道に乗せるのに必要だからやらねばならないことだと認識するべきだろう。だから、参加するならやっぱり優勝をめざすべきだと思うしそこまで本気でやってこそ得られるものが多いのだと思う。今回、優勝出来なくてめっちゃ悔しかったし、イベントを離れてもなんとかこのサービスが出来る方法がないか

 

2.Startup Weekendは起業の練習の場?

 海外の華々しい、起業の実績に比べるとまだまだそういった実績には乏しいだろう。正直、過去の京都でもそのままサービスをローンチして大ブレイクした例はない。(今もってチャレンジを続けているチームもいる)投資家やエンジェルがその場で投資先を決めるようなイベントにまだ育っていないし、京都周辺をとりまく環境とてそれに追いついていないのが現実だろう。ダントツで優勝して、ブランド価値をあげてくれるようなそんなチームの出現を望むとともに、やはり学生をはじめとしたまだ知らない世界を体験してもらうには、うってつけの場だと思う。

 

3.発展させるための今後の課題

 イベント中にメンターの和波さんと話していたのだが、やはりもっと早い時期でこのイベントを体験してもらう必要性があるのでは?ということだ。例えば、イノベータになりきれないフリーランスの方に新たな世界を拓くという意味では良いのかも知れないが、正直大学2年生くらいでこのイベントを体験しても残念ながら就職活動という荒波が待っていてStartupに関心があっても時間切れになって結局普通に就職してしまうケースが多いように思う。今回のイベントは、20歳以下の方の参加者が多く非常に楽しみだがU20の高校生を巻き込むようなイベントも今後検討すべきなのかな?と思う。そしてそれを社会人の参加者と融合させることに意味があるのでは?と思った。自分自身、今回のイベント参加者ではたぶん(絶対?)最年長でありながら違った価値観の20歳前後のメンバーと膝を突き合わせて共同で出来たことは、今後の大きな財産になったと思う。

 もうひとつ、これは今回のイベントに参加して感じたことではないが、アイデアの源泉を考えたり、技術の中心となる創業者と理念を共有して、がんばれる共同創業者の育成の必要性だ。日頃自分が接するStartup で最近多いのが、創業者とワーカーそして協力者だけがいて、コアな部分で初期からjyoinする共同創業者探しに苦労しているStartupの存在だ。最近は、ネットや書籍でも創業者(言いだしっぺ)が参考とすべき情報は非常に増えてきていると思う。しかし、初期に参加する共同創業者をどうやって探すか?参加する共同創業者は何を担うべきか?そういった情報は非常に乏しいのではないかと思う。Startup Weekendがそういった一助になればよいのではと思う。

 

4.オーガナイザーがイベントを支えているがなかなか参加者には伝わらない

 オーガナイザーって、参加者目線で、見るとやっぱり縁の下の力持ちというか、なかなか参加者には苦労が伝わらない。特に今回は、毛利君が学生で初めてメインのオーガナイザーという中、本当に孤軍奮闘していたと思う。お金の面から参加者集め、ジャッジ、メンター、スポンサーの交渉まで本当に大変な苦労をしたと思う。今回の参加者が一人でも多く、今後のイベントオーガナイザーになってくれればと望む。ついでに京都イベントでもオーガナイザーになってくれると嬉しいと思う。

 

 ちなみに私が、今回のイベントの1分間ピッチで発表したのは、『外出先で利用できるトイレを格付することで美しいトイレを増やすソーシャルトイレット』

チームで発表したのは、『誰でも気軽に簡単に1人から経験したことのないスポーツにチャレンジ出来るアプリ「COSPO」』 です。

ご興味のある方は、ぜひご一報ください。

 

最後に書いておくと、ほんとにチームメートに恵まれ本来だったら浮まくり(よく考えると年齢は僕の半分以下)のところを快く参加させてもらえたメンバーに感謝、感謝の言葉しか浮かばない。

 

まーやっぱり、参加しても、運営でやってもStartup Weekendは楽しかった。この感想は変わらないだろーなーと思う。

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