130386Raのスタートアップな日々

2010年からスタートアップのサポーターとして活動してきた記録と、サポーターに飽き足らず50歳を過ぎてプレイヤーサイドに身を投じたへそ曲がりなおじさんがスタートアップについて諸々お伝えしているブログです。

Dec 20, 2014

Startup Weekend Shiga 参戦記 前編


そもそもなぜ京都の運営者である自分が参加したのか

Startup Weekendには、京都の運営者としてもう4年も関わっている。
その中で、今年は大きな意思決定をしなければならない状況に迫られた。振り返ってみると、全国のStartup Weekendが立ち上がった時から関わっているメンバーで今も続けているのは数人になってきている。(当初頑張っていたメンバーに起業家が多いのも要因だろう)そんな中で、当初イベントを盛り上げるためにエントリーしていたちょっとしたサクラ状態だったが、参加者目線でもう一度Startup Weekendの魅力を見つめ直す機会にしたいと思い本格的に参加者としてがっつりやってみることにした。

何もかもが新鮮だった今回のイベント

Startup Weekendではいつもの光景のPIZZAタイムも、アイスブレイクとして行われるハーフベイク?(確かそんな名前だったはず)も自分でチームを組むという意識があると全く違う感覚があった。次に何が行われるかがわかっているからこそのアクションも取れたのかなとも思う。無意識かもわからないが、自己PRをしつつ出過ぎず周りの参加者の意見も引き出すように心掛けてるようにしていたと思う。ひょっとするとLeeがいつも言っているどれくらい過去の参加者がいるかを見れば大抵優勝チームはわかるというのは、こういうことを言っているのかもと思った。同じ、プログラムが行われているはずなのにそれを見ている立場の違いでこうまでも景色が違うのかと正直思った。

アウエー感ありありの自称最強チームを結成

今回の参加者は、現在滋賀に住んでいるもしくは、滋賀出身という方が半数以上だったと思う。そんな中『EコマースでPOPやイラストを使って楽しく買い物をしよう』というコンセプトに集ってくれたのは高専生でありながら素晴らしい着想力を持った潮田くん、このイベントに参加することと和歌山でのみかん農家体験をするためにわざわざ横浜からやってきた斎藤くん、イベントレポートを書くために来るはずだったのになかば無理やり参加者に祭り上げられた井上くん、大阪でIT系の企業を経営しているエンジニアの小山さん、そして滋賀には琵琶湖や彦根城に遊びに来たことくらいしかない私 澤村いう5名でチームになった。全く、滋賀には縁もゆかりもないチームが出来上がったのだ。



イデアの仮説検証とプロダクトの方向性を決める

メンターのアドバイスもあり、2日目の午前中という他のチームに比べると早い時期にインタビューに出ることにした。そもそも、『Eコマースで楽しくショッピングをしたいのか?』という仮説の検証を行なうためのインタビューだ。ここでは、最年少の潮田君と半端ない行動力の斎藤くんがパワーを発揮した。2人が老若男女問わず短時間で多くお声を集めてくれた。
インタビューの結果、3つの結論を導き出した。1つは、多くのEコマースの利用者は現在の利用サービスを面白いと思っていない。2つ目は、楽しいEコマースを求めている人が一定数以上いる。3つ目は、POPやイラストを使って商品をPRすることを面白いと感じる人も多い。というものだ。
この時点で、2日目の夕方でありMVPの具体的な内容を確定させる必要があった。というのもチームにはエンジニアが小山さん一人しかおらず出来るだけモックアップではなく機能は最低限でも動くものをきっちりつくってそのプロダクトの検証を行なって最終審査に臨みたかったからだ。
このあたりから実質井上くんがリードして方向性を固めていってくれた。和気あいあいとやりながらも、全く無駄なくプロダクトとプレゼンの内容を固めることが出来たのは全て彼のお陰と言っても過言ではないだろう。

偶然の産物から産まれたPOP STOREというサービス

我がチームは、主に大津PARCOでユーザーインタビューを行なったがここには、ビレッジバンガードが出店していて店内には秀逸なPOPが数多くあった。MVPを作成するのにPOPに絞り込むというのは割と自然な流れだった。もし、ここ以外のところでやっていたらこういう方向性にはならなかったかも知れない。何にせよエンジニアでる小山さんへのオーダーはスマホで見やすい、面白いPOPが見れるサイトということになった。
ここから、エンジニアの小山さんの苦闘が始まる。これを出来るだけ早く作ってくださいというコンセプト以外何もない状態からのMVP作りが始まったのだ。

後編に続く




Dec 20, 2014

Startup Weekend Shiga参戦記 後編

さて、今回参加者目線で記録をブログに残そうと思ったがあまりにも長くなってしまったので2回に分かれてしまいました。すみません。

危機管理まで考えてくれた素晴らしいメンバーとさすがプロ根性を見せつけたプロフェッショナルエンジニア

2日目を終えた段階で、あと1日となった。最終的には自分達がインタビューから得られた仮説を再度プロダクトとして多くの人からフィードバック(それも良い評価)を得られれば絶対優勝出来る。そう確信していた。そのためには、出来るだけ早く自分達のコンセプトを見てもらう必要があると考えていた。
正直、コードの書けない自分達には明日の朝までにちゃんと動くものを仕上げるということがどれだけ大変なことか解らなかったしそれまでに少しでもフィードバックを得たいと言って井上くんと潮田くんは見よう見真似でモックアップ作りにトライしてくれた。二人の作業はメッセンジャーに履歴によると深夜3時すぎまで及んでいたようだ。
そんな記録の残るメッセンジャーに早朝には嬉しい知らせが届いていた。「取り急ぎ、現状はこんな感じです。」というメッセージとともにちゃんと実装出来ていて動くぺーじが完成していたのだ。


完璧だったはずのシナリオの中で漏れていた唯一の問題

この後、インタビューメンバーは次々と思っていたようなインタビュー結果を集めて来たし、Webから上がってくる評価もほぼ良好なものだった。エンジニアの小山さんは、さらにブラッシュアップするとともに、今年の流行語大賞のあのコンビのセリフまで挿入するなど遊び心まで注入されたものが出来上がっていた。
後は、プレゼンさえ完璧にやれれば間違いなく優勝出来る。おそらくそう思ったのがよくなかったのだろう。そうその最後のプレゼンを完璧にやり切るという鍵は自分が握っているということをすっかり忘れていたのだ。

悔しいとしか言えない結末

結局、私たちのチームは優勝出来なかった。結果だけ言うとそういうことになるだろう。ただ、少なくとも仮設検証を顧客開拓という形で行なうことによりアウトプットを作り出したし、そのフィードバックまで得るという3日間でやれることをやり切ったのでは?という思いがある。非常に言い訳がましい話になるが、ここまで優勝したいという想いが強くなるとは思っていなくてプレゼンで、平常心を保てなかった。チームメンバー一人一人の活動を伝えたい思いもあって冷静に振り返ると内容が散漫だったのでは?と大きく反省している。
プレゼンって思いの強さを伝えるものだと優勝したチームの前川さんから教えられたような気がする。情熱を伝え切ることが出来るかってこともスタートアップには非常に重要なことだし、そもそもStartup Weekendは、コンテストだということはひょっとすると自分自身が一番忘れていたことだったのかも知れない。それをきづかせてくれたことも、参加して得られたことのような気がする。


滋賀でStartup Weekendを開催することの意味について

今回、正直驚いたのは滋賀の人々の地元愛の強さだ。
チームを組めなかったピッチのアイデアの中には、数多くの地元を意識したサービスがあった。これは、京都や大阪ではあまり見られない光景だと思った。IT系サービスでなくてもStartup Weekendでピッチしてもいいですよとは言っているもののこれほど非ITであってもちゃんとイベントとして成立するというのを身を持って体験させて頂けたと思います。

更に付け加えさせて頂くとすると、この起業未開の地でStartup Weekendを開催してやろうと思ったオーガナイザーチームの情熱には本当に脱帽です。自分は、本当に何もお手伝い出来なくて、滋賀の起業家が協力してくれるわけでもなくそれでもこれだけ盛大なイベントが出来たことはすばらしいことだと思います。



本当の最後に、最高のチームメンバーに大、大、大感謝です。
誰一人欠けてもこんなにファンキーで最高なものが作れなかっただろうし、最高の3日間を過ごすことは出来なかったと思います。
本当にありがとうございます。