130386Raのスタートアップな日々

2010年からスタートアップのサポーターとして活動してきた記録と、サポーターに飽き足らず50歳を過ぎてプレイヤーサイドに身を投じたへそ曲がりなおじさんがスタートアップについて諸々お伝えしているブログです。

startup weekend kyoto 3日目

ついに最終日が訪れた。参加者の顔にもだいぶ疲れの色が隠せなくなってきていた。

 

2日目までは、ディスカッションやメンターへの質問などで和気藹々とまではいかなくてもあちらこちらで会話がなされていた。ファシリテーターのLeeさんからプレゼンまでの時間をタイマーで示すと会場となっている部屋は静寂に包まれることとなった。MVPを作るためコーディングを行なう者、プレゼンのために資料を作る者などに分かれて静寂の中にパソコンのキーボードを『カタカタ』という音だけが響く、午前中はそんな感じで時が流れていった。この間に、私とLeeは、顧客と見込み客、そして投資家の違いなどについて思うところについて、激論を交わしていたのだが、多くの参加者達は、まったく気にも留めず作業を続けていった。そんな中、プレゼン順の抽選?が行なわれ発表順が決められた。

 

お昼からは、各チームがプレゼンの練習に勤しみ、あっという間にプレゼン開始の午後5時が近づいた。午後4時すぎから、ジャッジの今村さん、近藤あん、クリスさんの順で会場に姿を見せた。Leeさんからジャッジの採点について説明がありその間に各チームは本番に備えていった。

 

 プレゼンとジャッジの内容について、少し舞台裏も含めて語ってみる。プレゼンのトップバッターは、『animall』チーム。当初のピッチのアイデアは、動物の里親マッチングサイトの構築であった。今回のフィールドワークで最も苦労したのは、このチームかも知れない。動物の里親紹介のマッチングサイト自体は、他にもある。このチームが着目したのは、飼いたいペットを自己アピールして、マッチング出来るサイトを作りたいというものであった。しかし、町に出て声を聞いてみると実際の飼い主のマッチングは非常に近場で成立することが多く、これだけでサービスを展開するのは難しいと感じたのだ。そこで、このチームは動物をテーマにサービスという形態を残したうえでペットの飼い主へのトータルサービスという形にシフトする道を選んだ。このチームには、エンジニアが数名いてある程度動くサービスが出来ていたにも関わらず何故かそこをあまりアピールすることなく、プレゼンを終えてしまったのは少しもったいなかったような気がした。

 

 2番目にプレゼンを行なったのは、『DOKOFURI』チーム。要らないものを、身近に近所にいる人に販売する既存のオークションと違う販売形態を提供するというもの。このチームは、サービス内容を固めるまでにいくつかのテストを行なっている。また、販売の形態もCEOが大学生ということを最大限に生かしきり、そこからサービスを拡大させる方針を採るなど戦略的にも考えられていた。チームのエンジニアもスマートフォンを活用して、実際に動くサービスを作っており実装が出来ていた。facebookを活用し見ず知らずに人から、ぜひ使いたいという支持を得ていた点も評価されべき点であった。

 

 最後にプレゼンしたのが、『KyoDai』チーム。大学生が、海外の観光客のお困りごとに対応するというサービスだ。当初は、タクシーより安価に運行できる乗り合いタクシーのシステムを作るというアイデアだった。正直に言うとこのチームが、なぜこの最終アイデアに辿り着いたかはよく知らない。しかし、特筆的であったのは実際に100円ではあるが京都駅で外国人観光客からお金を頂いたということだろう。ただ、残念だったのは、ビジネスとしてお金をもらうことをシステム化しきれなった点かも知れない。

 

優勝をさらったのは、すでにご存知の方もいらっしゃるだろうが、『DOKOFURI』チームだ。このチームは、上にも書いたように3つのチームの中ではトータルの完成度が高かった。少しだけジャッジの舞台裏を話すと、『KyoDai』チームの取り扱いを巡ってジャッジの面々が迷いに迷った。なにしろ100円とはいえ、ビジネスとしてお金を稼ぎ出したことを絶賛するむきもあった。しかし、やはり他の2つのチームがきっちり実装まで行ないビジネスとしてシステム化させていたのに対して、このチームはやはりその部分が劣っていたと言わざるを得なかった。また、今回ジャッジとして明確化されたUI,UXを含めたDesignの部分でも評価を下げることとなったのかも知れない。

 

最後に近藤さんのコメントを引用させて頂くと、「流れとしてリアルな問題解決を行なうサービスが増えてきている。かつてのインターネット上だけで解決するサービスではなくこういったリアルな問題を取り扱うのは今のいい流れなんだろう。」

 

 

今回の参加者の多くから、引き続きサービスを続けていきたいと聞いている。これは、非常に頼もしいことであり、この経験を生かして更なるジャンプアップを期待したい。