130386Raのスタートアップな日々

京都で働くstartupサポーター

イノベーションの作法

「イノベーションの作法」という少し古い本を読んだ。イノベーターは、学びによって産み出せることが出来るのか、この命題の答えを探してイノベーターのストーリーを追い続けている。そんな中で出会った1冊について、少しまとめてみたいと思う。

 

「イノベーションの数だけイノベーターの物語がある」

この本に登場するのは、ジョブズやザッカバーグのようなベンチャーの起業家だけではない。マツダのロードスターや、サントリーの伊右衛門やシャープのヘルシオの開発担当者など大手企業や近大、アルビレックス新潟、帯広の北の屋台など様々な企業や団体が登場している。この本に取り上げられている数少ないベンチャーが近藤さん率いるはてなというのは、何かの縁かも知れない。

自分は、どちらかというとイノベーションというのはベンチャーの専売特許と思っていたきらいがあるのだが、大手企業や公的な組織からもイノベーションは生まれているのだということを認識した。まさに、イノベーションの数だけイノベーターの物語があるということだ。

 

「大手企業が作り出すイノベーションとベンチャーの起こすイノベーションの違い」

それでも、大手企業とベンチャー企業のどちらの方がイノベーションを生み出しやすいのかといえばやはり圧倒的にベンチャーであるというのは事実だろう。この本のなかで語られている大手企業のイノベーターの物語の中には、何年もかかって作り出したもの、運よく日の目を見たがいつ潰れていてもおかしくないものが少なくない。それを乗り越えるために「清濁あわせのむ政治力」や「マキアヴェリ的なリアリズム」が重要であると述べられている。しかし、「いいと思ったことをスピーディーに実行できる」ベンチャー企業ならそういった苦労はそこまで必要ではないからだと思うからである。

但し、大手企業が産み出すイノベーションはそれらの“産みの苦しみ”を乗り越えているため非常に力強く、またお金を掛けられるという利点がある。このため、当たると大ヒットに繋がる可能性が高いといえるのではないだろうか。

これに対して、ベンチャーには、そんなに時間を掛ける余裕はない。だが、逆にへんな社内対立などが少なく。実現へのハードルは、大手企業に比べると低いのではなかろうか?故に、スピーディーにユーザーの本質的ニーズを捉えたサービス(製品)を産み出すことが必要になる。

 

「重要なのは、自分の信念や価値観を信じる主観的な思い」

誤解の無いように、予め申し上げると市場分析が無意味だと言っているわけではない。自分の信念や価値観に、思い入れが強すぎて実際のユーザーの本質的ニーズとかけ離れていることは少なくない。このため、市場分析やユーザー調査は必要である。

しかし、過度に市場調査に依存し市場調査の結果に迎合したりユーザーの表面的なニーズにそのまましたがってしまうことは言語道断である。本来は、市場調査やユーザーヒアリングとは、自分の信念や価値観に間違いがないという検証や自分達では気付きもしない別の価値観を教わる場として活用するべきでなのである。

 

「生き方」を確立できた人間のみがイノベーションを起こせる

この本に書いてあるこの部分に全てが凝縮されているのではなかろうか?

『自分は何をやりたいのか、そもそも自分は何のために存在するのかと自らに問い、悩む中で生き方を見定める。自らの生き方を確立しない限り、人間にはものごとを主体的に考えたり、新しいものを想像することはできず、ましてや環境を変えるほどのイノベーションを起こせない。イノベーターとして真にリーダーになれる人材とそうでない人材の境目は、最終的にその一点にある。』

 

少し古い本ではあるが、イノベーションに興味のある方には是非手にとって頂きたい一冊です。

イノベーションの作法―リーダーに学ぶ革新の人間学