起業家が共有するべきは、成功体験それとも・・・
社長失格
早速ですが、10年前に私がスタートアップに関わる仕事を始める時に読んだのがこの本でした。
当時は、とにかくスタートアップの経営者がどのような考え方をするのか?
何をすれば、うまくいって何をすればうまくいかないのか?手っ取り早く知りたかったからです。
今だったら違う読み方が出来ると思うので、ちょっと読み返したくなってきましたが、スタートアップに携わる起業家チームのメンバーが共有するべきなのは、成功体験なのかそれとも・・・というテーマで書いてみたいと思います。
スタートアップの起業家が語る成功体験
あくまで、一般論ですが、スタートアップの起業家が語る成功体験はそのままコピペ(言い方悪いですね)出来るかというとそうではないと思っています。
なぜなら、起業家はそれぞれ出自も違えば、ビジネスモデルも違う。つまり、聞いた事をそのままやっても再現性に乏しいからです。
また、成長した起業家もやはり一人の人間ですから、武勇伝的に語ってしまう傾向があるとも思っています。
つまり、成功した起業家の話ばかりいくら見聞きしても、実際に実践するのは困難だと思うのです。
だからと言って、成功した起業家の話が無駄だと言っているのではありません。
成功体験には、何よりも『あんな風になりたい』とか『あの人も苦しい事を乗り越えたんだ』というモチベーションをアゲアゲにしてくれる効果が大きいと思っています。
そして、フィーリングの合う人とならメンターとかになってもらえる効果もあると思います。
共通するべきは失敗の体験だが・・・
対して、失敗談には起業家が学ぶべきところが多いと思います。
全然スタートアップとは関係ないですが、野村克也さんの語録に以下のような言葉があります。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。
ところがこんな事も言っています。
「失敗」と書いて「成長」と読む。
僕は、起業家の失敗は、出来れば失敗と言いたくないと思っています。むしろ、チャレンジだと思っているからです。
それでも、起業家のリアルな失敗体験というのはなかなか語られる事が少ないと思っています。
なぜなら、実際には起業家一人だけの失敗などなく、関係者、メンバー様々なステークホルダーが関わる中で起こっている事であり、起業家の責任感も相まってなかなか失敗をリアルに語るのは難しいという背景があるからではと考えています。
もう一つの背景としては、スタートアップのイベントを企画する人たちは、スタートアップにチャレンジしたり関わったりする人を増やしたいのが本音なので、ひょっとすると失敗談というのは「不都合な真実」なのかも知れません。
そんな中、makuakeで華々しい調達をしながら、残念ながら事業活動を終了したハードウエアスタートアップ「BLINCAM」の高瀬さんが古巣?であるスタートアップウイークエンドのイベントに登壇?されると聞いて参加する事にしました。
スタートアップウイークエンドに興味のない方も是非参加してみては如何でしょうか?