130386Raのスタートアップな日々

2010年からスタートアップのサポーターとして活動してきた記録と、サポーターに飽き足らず50歳を過ぎてプレイヤーサイドに身を投じたへそ曲がりなおじさんがスタートアップについて諸々お伝えしているブログです。

Startup Weekend Kyoto 番外編①

今年もStartup Weekend Kyotoの暑い夏が終わった。3日間の模様をこのブログに書いてきたが、番外編としてファシリテーターのLeeと私が最終日に交わした有意義な?顧客に関するやりとりについて紹介したい。

 

【誰が顧客なのか?】

 今回のイベントの3日目にLeeに今まで聞きにくかった質問をしてみた。「なぜ、町に出て声を聞けというのか?そもそも、町でチームに答えてくれるのは顧客ではないはずだ。というよりそもそも顧客候補に過ぎないはずだ。この顧客候補の声を聞いてサービスの内容を変えてピポットするのが本当に正しいのだろうか?」と。お金を払ってサービスを使うのが、顧客でありただ単に「こんなのあったら使いたいけどなー?」と答えてくれる人間は全く違うのでは?と思ったからだ。ならば、わざわざ町に出て声を聞かなくても、Facebookなどネット上で意見を聞いてもよいのではないか?

 

 この問いに対してLeeはこう答えた。「そうです。町で質問に答えてくれる人は顧客ではありません。また、質問に答えてくれる人のニーズが顧客のニーズと思ってはいけないと思います。町に出て声を聞く意味は、表面的にこんなものが欲しいということではなく、本当に必要としているものは何なのか?を掴むことだと思っています。そこを勘違いすると、車ではなく安全に早く走る馬を作りたくなるのではないでしょうか?」

 

 彼は、更に続けた。「顧客は、おっしゃるようにお金を払ってくれる人です。しかし、Startupが必要とするのは普通の顧客では駄目です。優良な顧客が必要です。優良な顧客とは、繰り返し何度も使ってくれるディープユーザーや発信力が高く多くの顧客を呼び込むことが出来る人です。この優良顧客のニーズの真のニーズを掴むために町に出て声を聞き感じ取る必要があるのです。」

 

このやりとりをどう感じるかは自由だ。しかし、Leeがイベントの冒頭に言っていた言葉を思い出す。「勉強するために、このイベントに来るのは意味がありません。皆さん本当にStartup するためにこの3日間を過ごしてください。Startup Weekendの54時間で優良な顧客を開拓することまでやり遂げるのは、難しいかも知れない。しかし、この54時間でそこまで追求しなければ本当にStartupで成功することは出来ないということではないだろうか?また、そこを本気で目指しておもいっきり失敗することが許される。それがこのイベントの良さではないだろうか?

 

startup weekend kyoto 3日目

ついに最終日が訪れた。参加者の顔にもだいぶ疲れの色が隠せなくなってきていた。

 

2日目までは、ディスカッションやメンターへの質問などで和気藹々とまではいかなくてもあちらこちらで会話がなされていた。ファシリテーターのLeeさんからプレゼンまでの時間をタイマーで示すと会場となっている部屋は静寂に包まれることとなった。MVPを作るためコーディングを行なう者、プレゼンのために資料を作る者などに分かれて静寂の中にパソコンのキーボードを『カタカタ』という音だけが響く、午前中はそんな感じで時が流れていった。この間に、私とLeeは、顧客と見込み客、そして投資家の違いなどについて思うところについて、激論を交わしていたのだが、多くの参加者達は、まったく気にも留めず作業を続けていった。そんな中、プレゼン順の抽選?が行なわれ発表順が決められた。

 

お昼からは、各チームがプレゼンの練習に勤しみ、あっという間にプレゼン開始の午後5時が近づいた。午後4時すぎから、ジャッジの今村さん、近藤あん、クリスさんの順で会場に姿を見せた。Leeさんからジャッジの採点について説明がありその間に各チームは本番に備えていった。

 

 プレゼンとジャッジの内容について、少し舞台裏も含めて語ってみる。プレゼンのトップバッターは、『animall』チーム。当初のピッチのアイデアは、動物の里親マッチングサイトの構築であった。今回のフィールドワークで最も苦労したのは、このチームかも知れない。動物の里親紹介のマッチングサイト自体は、他にもある。このチームが着目したのは、飼いたいペットを自己アピールして、マッチング出来るサイトを作りたいというものであった。しかし、町に出て声を聞いてみると実際の飼い主のマッチングは非常に近場で成立することが多く、これだけでサービスを展開するのは難しいと感じたのだ。そこで、このチームは動物をテーマにサービスという形態を残したうえでペットの飼い主へのトータルサービスという形にシフトする道を選んだ。このチームには、エンジニアが数名いてある程度動くサービスが出来ていたにも関わらず何故かそこをあまりアピールすることなく、プレゼンを終えてしまったのは少しもったいなかったような気がした。

 

 2番目にプレゼンを行なったのは、『DOKOFURI』チーム。要らないものを、身近に近所にいる人に販売する既存のオークションと違う販売形態を提供するというもの。このチームは、サービス内容を固めるまでにいくつかのテストを行なっている。また、販売の形態もCEOが大学生ということを最大限に生かしきり、そこからサービスを拡大させる方針を採るなど戦略的にも考えられていた。チームのエンジニアもスマートフォンを活用して、実際に動くサービスを作っており実装が出来ていた。facebookを活用し見ず知らずに人から、ぜひ使いたいという支持を得ていた点も評価されべき点であった。

 

 最後にプレゼンしたのが、『KyoDai』チーム。大学生が、海外の観光客のお困りごとに対応するというサービスだ。当初は、タクシーより安価に運行できる乗り合いタクシーのシステムを作るというアイデアだった。正直に言うとこのチームが、なぜこの最終アイデアに辿り着いたかはよく知らない。しかし、特筆的であったのは実際に100円ではあるが京都駅で外国人観光客からお金を頂いたということだろう。ただ、残念だったのは、ビジネスとしてお金をもらうことをシステム化しきれなった点かも知れない。

 

優勝をさらったのは、すでにご存知の方もいらっしゃるだろうが、『DOKOFURI』チームだ。このチームは、上にも書いたように3つのチームの中ではトータルの完成度が高かった。少しだけジャッジの舞台裏を話すと、『KyoDai』チームの取り扱いを巡ってジャッジの面々が迷いに迷った。なにしろ100円とはいえ、ビジネスとしてお金を稼ぎ出したことを絶賛するむきもあった。しかし、やはり他の2つのチームがきっちり実装まで行ないビジネスとしてシステム化させていたのに対して、このチームはやはりその部分が劣っていたと言わざるを得なかった。また、今回ジャッジとして明確化されたUI,UXを含めたDesignの部分でも評価を下げることとなったのかも知れない。

 

最後に近藤さんのコメントを引用させて頂くと、「流れとしてリアルな問題解決を行なうサービスが増えてきている。かつてのインターネット上だけで解決するサービスではなくこういったリアルな問題を取り扱うのは今のいい流れなんだろう。」

 

 

今回の参加者の多くから、引き続きサービスを続けていきたいと聞いている。これは、非常に頼もしいことであり、この経験を生かして更なるジャンプアップを期待したい。

 

 

 

 

startup weekend kyoto 2日目

昨日の話を今書くのは、心苦しいが帰るとまさに『ばたんきゅー』の状態なのでお許し頂きたい。

 

まず、1日目でチームを結成できなかったメンバー7人のうちお一人は自分のアイデアが採用されないならやめるとのことで離脱された。非常に残念だがこれも止むを得ないことなのだろう。

そして、残ったメンバー6名は、『動物の里親マッチング』をテーマに1チームになった。

結局、3チームで活動することとなった。

 

さて、2日目は町へ出てインタビューをしましょうということだが、今までのstartup  weekendでは有り得ないような事態が起こった、部屋からファシリテターのLeeとオーガナイザーそしてメンターを残して誰もいないという状態になったのだ。

ファシリテーターのLeeから町の声を聞けている人と聞けていない人がいるとチーム内に温度差が出来て、認識度が変わるため全然でフィールドワークを行なう方が良いとのアドバイスがあったためだが、こうまで同時に誰もいなくなるというのは始めてだ。

 

暑い中、お昼に出掛けたので『青おにぎりさん』のオニギリがすごく役にたった、。本当にありがとうございます。

 

午後からは、フィールドワークの結果をもとにメンターのアドバイスを受けながらサービスを創り上げるフェーズに移っていった。昨日お越し頂いたのは、nota.inc 

 http://notaland.com/  代表の洛西さん。シリコンバレーに籍をおく企業で 『Gyazo

というサービスで日本のDrop Boxを目指す売れるサービスを生み出すスーパーエンジニアだ。もう一人は、第3回の優勝者で今もそのサービスをCoworkfy http://coworkify.com/ として継続している他、ベンチャー支援(とくに京都の学生を中心)に行っている Kenshin Fujiwaraさんだ。 

ここに、ふらっと明日のジャッジである エバーを展開しているコネクトフリー の http://connectfree.jp/ 帝都 久里寿氏も顔を出した。

 

結局夜11時まで作業が続き、今日のプレゼンを待つのみとなった。

 写真は、こちらにも掲載しているのでぜひご覧あれ。

   https://www.facebook.com/isao.sawamura.7 

 

 

 

 

 

 

 http://notaland.com/ の洛西さん、そして第3回に優勝してDemo Asiaに参加したkenshin fuFujiwara

kenshin???f

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

startup weekend KYOTO 1日目

スタートアップウイークエンド京都の1日目が終わった。

参加者が20名と少なかったこともあり全員がなんらかのピッチを行った。

ビジネスのアイデアのない参加者は、自分のスキルやパーソナリティーをアピールする形で行った。

1日目の段階では、2つのチームが結成された。

一つ目は、自動車などをオークションで売買すると現品確認などの問題があるため近所の人と要らないものを売買するマーケットを構築するというもの。

二つ目は、京都特有の市内の交通事情を考慮してWEB上で乗合タクシーを展開するというもの。

他には、患者が容易に使うための電子カルテや自分撮りのインターフェース、出会った人の声などで容易に名前を覚えるアプリ、猫を飼いたい人向けの里親マッチングサイトなどのアイデアが出たが3つ目以上のチームが結成されるには、至ることなく7人のメンバーがチームを決めることなく1日目を終えることとなった。

 

さて、これから2日目、3日目にどんなドラマが待ち受けているのか、非常に楽しみになってきた。

Startup Weekend Kyoto July26-28開催にあたって Ⅲ

 

さて、さてどうやら自分は相当しつこいようだ。まだまだ書く。というより人知れず動いていたものが徐々にネタになってきている。

今回別の(といってもITや起業系ではなく)とてもおいしそうなイベントでご参加頂けない株式会社のぞみ http://www.nzm.jp/ の藤田社長からのぞみ賞として1時間無料メンタリング券をご提供頂くことになった。今回優勝チームには色々とプライズがあるので、特別に優勝以外のチームに提供しようと思っている。

 

ジャッジの紹介 

 

さて、前回イベントの独自色を出したいと言っていたが、第1回より変わらずにサポート頂いているのが毎回勝手に審査委員長をお願いしている株式会社 はてな http://www.hatena.ne.jp/ の近藤社長だ。「日本のグーグルと呼ばれるネット企業」を率いる起業家だが、素顔は気さくな方で学生の話にも真剣に耳を傾けてくれる知識欲旺盛な方だ。

 

その近藤社長のご紹介で、繋がったのが 株式会社 クエステトラ http://www.questetra.com/ja/ の今村代表だ。京都では、ご存知の方も多い同窓会なのに500人もの人を集める京大 超交流会のボスだ。しかし、ながら会社の事業はBPM

というもろ「 B TO B」なビジネスを手掛けられている。にも関わらずジャッジでは必ず笑いを取りにいき、結構おもしろいサービスがお好きという印象がある。

 

そして、今回ジャッジに名を連ねたのが、コネクトフリー株式会社 http://connectfree.jp/ 代表の帝都 久利寿だ。日本語ペラペラでプログラマーとしては超天才。なんといっても3歳からプログラミングを始めて、アメリカ在住から4つもの会社を起業させている。彼との出会いも、近藤さんの紹介でふらっとこのイベントに姿を見せたときからだ。日本の製造業が大好きで京都も大好きという彼のパーソナリティーそのものも起業家の魅力だろう。

 

こんなユニークなジャッジの方々と触れ合うだけでも、ものすごいチャンスだと思いませんか?

 

 まだまだ、参加者は募集中。

 

  http://kyoto.startupweekend.org/

 

 

 

Startup Weekend Kyoto July26-28開催にあたって Ⅱ

このネタでしかブログを書けないと思われると癪だが、とりあえずしばらくは、お伝えしたい情報があるのでこのネタで書く。

 

『京都のオリジナルを追求する』

 

前回『Startup Weekend』は、日本にいればいつか、どこかでやっているとお伝えした。日本はアメリカのように広くないので、少し頑張ればどこででも参加出来ると思う。じゃあどこで参加しても同じ『Startup Weekend』でいいのだろうか?確かにプログラムは同じだし、ファシリテーターだって多くの場合同じだ。でも、それでは各地で開催する意味はどこにあるというのだろうか?

 

ブログのタイトルにもあるように、自分は京都で活動している。故に、京都ならでは起業スタイルがあると思っている。だから、メンターやジャッジは、京都に縁のある方に極力お願いするようにしている。皆様のご存知に通り京都は歴史のある街だ。そして、企業文化としては『長く愛される、真に必要とされるもの』を生み出そうという思想があると思っている。それってStartupに必要な考えなの?って思われるかも知れない。ただ、かつてStartupを経験してそういったポリシーで企業経営を行なっている企業家が京都にはいる。「Startup Weekend Kyotoに参加してそういった企業家と触れ合って欲しい。」これは率直な思いだ。

 

以前、今回のイベントでもジャッジを務めて頂く、近藤さんや今村さんからやり続けることの難しさみたいなことを言われたことがある。今回は、まさにそういったことを思い知らされている。イベントの真の意味や目的について再度考える良い機会になっている。参加者が多ければ、成功なのか?イベントから良いスタートアップが誕生すれば成功なのか?決してそれだけではないはずだと思う。参加した人、関わった人が京都に来てよかった。そう思ってもらえることも大きなイベントの意義ではないか?そう思っている。

 

 

『イベントのフードの協力』

 

で、私のFacebookでも書いているが京都で頑張っている人と一緒にイベントを盛り上げたいと考えている。そこで、昼食には京都の白川沿いで今評判の若い店主が握る「青おにぎり」さんに提供頂くことになっている。

 「青おにぎり」さんについては以下をご参照

   http://www.aoonigiri.com/

   http://kumakuma696969.blog95.fc2.com/blog-entry-890.html

 

飯で釣るわけではないですけど、本当にやみつきになる旨さです。

 

『優勝者へのプライズ』

 

これも賞品で釣る訳ではないですけれど、優勝チームの代表者1名にシリコンバレーへの渡航費(東京⇒シリコンバレー)+研修プログラムを提供させて頂くことになった。果たしてシリコンバレーに行くことが、良いのか?その点については、考えたつもりだ。しかし、やはり『自分の目で見て、体験して、肌で感じることでしかその是非は分からないのでは?』と考えこのプライズを用意することにした。今回の研修プログラムには、合同会社SAAR様 http://www.sarr-llc.com/ にご協力頂くことになっている。

 

また、今回も従来と同様、share KARASUMA 様  http://sharekarasuma.hase-building.co.jp/  にコワーキングスペースの無料利用3ヶ月をご提供頂きます。

研修とStartupの環境を通じて、Startupへのサポートをさせて頂きたいと考えている。

 

まだまだ、申し込みは受け付けている。

この文章を読んで、参加したいと思って方は是非こちらから

 

http://kyoto.startupweekend.org/

 

 

 

 

 

 

 

Startup Weekend Kyoto July26-28開催にあたって

 祇園祭りも終わりますます暑さの増す中、またStartup Weekend Kyotoを開催する。冒頭まずお詫びさせて頂きたいのが開催日時と広報の遅れについてです。多くの学生の方から試験期間中でとても参加出来ないとのお声を頂いている。真摯にお詫び申し上げたい。また、やるやると言っておきながらなかなか申し込みページを立ち上げられなかった広報の出遅れについても大いに反省している。

 

京都でStartup Weekendを始めて今回で5回目になる。今では京都、東京、福岡以外にも沖縄、大阪、仙台などすでに開催済みの場所に加えて新たな開催候補地を含めると日本のどこかにいれば参加できるイベントになってきている。当初、「まずStartup Weekendとは?」みたいな説明をしなければ始まらなかったのが、そんな説明は省いて話を始められるようになった点については非常に喜ばしく思っている。反面、反省ばかりになるが、募集を行なうだけでは直ぐに参加者が集まらないという点については、何かを変えなくてはいけないとの思いが心をよぎり始めた。その状態でもんもんと何も手をつけず、ただ増えない参加ページを眺める日々を数日過ごした。

 

そんな無意味な日々を過ごしてふと気付いたのが、まだまだもの足らないとはいいなががらも申し込んで頂いた参加者やご協力頂いているジャッジ、メンター、スポンサーの方々の存在です。自分は、この人達のために全力で何かをすることこそが使命ではないかと。そこで、手足を動かして残された日程で出来るだけのことをして、ご参加頂く方々やご協力頂ける皆様に少しでもお役に立てるよう、出来ることからやっていくことに決めました。

 

今日は、手始めに京都のコワーキングスペースを廻りビラの配架にご協力をお願い致しました。突然の訪問と大量のビラにも関わらず、嫌な顔ひとつせずご協力を頂きました、シェア烏丸、小脇、oinai Karasuma、cotoのスタッフの皆様本当にありがとうございました。そして、ご協力頂いている方々についても少しずつでもご紹介をさせて頂きたいと考えています。

 

また、優勝チームへのプライズについても検討中です。また、決まり次第ご報告させて頂こうと思います。また、参加者だけでなく運営にご協力頂けるスタッフの方も募集しております。ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非お声掛け下さい。よろしくお願い致します。

 

 イベントページはこちら  http://kyoto.startupweekend.org/