130386Raのスタートアップな日々

2010年からスタートアップのサポーターとして活動してきた記録と、サポーターに飽き足らず50歳を過ぎてプレイヤーサイドに身を投じたへそ曲がりなおじさんがスタートアップについて諸々お伝えしているブログです。

「若者の車離れ」をテーマに共同研究をしている件-part1

皆様は、「若者の車離れ」と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか?

 

立命館大学の林先生の学生と一緒に「若者の車離れ」をテーマにユニオンエタニティ株式会社を代表して共同研究を始めさせて頂いて1年ちょっとが過ぎようとしています。

 

今年、参加してもらっている学生には、さまざまな形で活動の内容を発信してもらう事をお願いしています。そういった中で、自分自身もこのテーマについて発信していく事が重要なのではないかと感じたので、思うところについて書いていきたいと思います。

今回は、なぜ「若者の車離れ」をテーマにしたのか?について書いてみたいと思います。

 

なぜこのテーマを選んだのか?

 

これが、共同研究を始める時に発表したユニオンエタニティ株式会社のプレスリリースです。

prtimes.jpl

 

「若者の車離れ」が叫ばれていると言われていますが、叫んでいるのは若者ではなく、アラフォー、アラフィフなどの世代です。

 

 ユニオンエタニティが標榜しているのは、車の循環型社会の実現です。私なりの解釈では、使える車はちゃんと使い切り、使えない車はちゃんと捨てる。一言で言うと、こういった事になると思います。

 

 車を簡単に捨てない社会を作るには、車を使う人が減るといささか困る事が出てきます。車を使う人がどんどん減っていくと、まだまだ使える車があるのに、廃棄せざるを得ないケースが増える事になります。

 別にそれ自体が悪いと言っているつもりはありません。使わない車はちゃんと捨てればいいのです。ちゃんと捨てるというのは、車をそこらへんに放置したりせず、適切な処理業者にお渡しする事で、部品やレアメタル、鉄スクラップなどをリサイクルする事によって活用出来るものを再利用する事を意味しています。

 

車が産まれてきた(作られた)価値を最大限に発揮する事はとても重要だと考えています。車の走るという機能が損なわれるまで、使い切るというのが価値を最大限に発揮するという事だと思っています。もし、本当は車をそんなにたくさん生み出す必要がないのであれば、メーカーは生産台数をもっともっと減らす必要があるのかも知れません。

 

いささか話は脱線しましたが「若者の車離れ」の実態を掴む事で、今後の中古車流通業界、そして廃車というビジネスの領域にどのようなサービスが求められるのか?といった部分を明らかにしたいというのがこの研究の目的だと思っています。

 ある意味、車の価値を再定義する事こそがこの研究の裏に潜んでいるテーマと言えるのかも知れません。

 

次は、1年目の研究の成果とこれまで学生と接してきて解ってきた「若者の車離れ」の実態について書いていきたいと思います。

 

等身大の若者である22歳の女子大生が、真剣に車の購入を実体験する発信をしています。こちらの方も、是非ご一読下さい。

 

note.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

starupweekend バーチャル京都からの学び

f:id:ujiis:20210904212928j:plain

 

1.具体と抽象の往還について

 

「スタートアップは、熱狂的な一人の顧客を見つけろ」

 

これは、よく言われる事ですし、startupweekend Kyotoでもファシリテータが言っています。ただ、この部分はもう少し掘り下げないといけない部分だと、今回感じました。

 

それは、「熱狂的な一人の顧客を見つける」だけではだめだということです。

 

熱狂的な一人の顧客は、具体的なニーズがあるから、そのプロダクトなり、サービスを支持します。具体的な課題を抱えている人と言って良いでしょう。しかし、そのニーズは個別具体的すぎて、汎用化出来ない事が少なくないからです。

 

例えば、「絶対にズレ落ちないズボンがあれば欲しいですか?」と聞かれた時に、私なら欲しいですと答えます。何故なら、私は、太り気味(過ぎ?)で、毎日のように長時間歩くので、いつもズボンがずれる事に悩んでいるからです。

しかし、本当はズボンでなくても良いのですし、毎日長時間歩かない人なら、同じ課題を抱えているとは言えないと思います。ですから、太りぎみの人には、ずり落ちないズボンが欲しいというニーズがあります、と言い切ってしまうのは危険だということです。

これは、あまり良い例ではなかったかも知れませんが、熱狂的な一人の顧客に対して、なぜそれが必要か、なぜそれを欲しいと思うのか、なぜそれが好きなのか、を徹底的に聞き出して、その本質を抽象化する事が必要だからです。

具体的なニーズを持っている「熱狂的な一人の顧客」を通じて、抽象的なサービスの本質を作り出さないと、「熱狂的な一人の顧客」しか欲しないサービスを作ってしまう事になってしまいます。これでは、最終的に多くの人に利用してもらう事は出来ないと思います。

 

具体と抽象の往還については、以下に詳しく説明がされていますので、もう少し詳しく知りたい方はこちらを読んでみて下さい。

studyhacker.net

 

この具体と抽象の往還という思考は、日頃から常に行なっているか、という訓練の部分になるかも知れません。私自身が、この「具体と抽象の往還」を意識しながら仮説検証を繰り返してみようと思いました。

 

本当はこれこそが、startupseekendのジャッジのポイントであるexecution(検証)の部分なのかも知れません。

 

2.オンラインならではヒアリングスキルの必要性

 

今回のような、オンラインイベントではヒアリングの多くをアンケートで済ませる傾向が強くなってしまいます。オンラインでのアンケートは、オフラインでのFace to Faceでのアンケートに比べてニュアンスが伝わりづらいという面があります。

 

そうなると、設問数が多い、記述式の設問が多いアンケートは自ずと回答率が低くなってしまいます。ここで、重要になるのがアンケートの目的です。

そのアンケートが、本質的な厳しい真の意見を聞きたいのであれば、ある程度回答率を下げてでも、ハードルの高い設問にすべきですし、そもそもそんなニーズってあるの?とか本質を捉えるために、多くの人に答えて欲しいのならそういった聞き方をしなければならないでしょう。

そこには、アンケートに関する一定のスキルが必要になるでしょう。

ひょっとすると、今後これは必須のスキルになるかも知れません。

 

また、オンラインのデメリットとしては、無関心な人の動向がわからないというものがあります。オンラインのアンケートなら、無関心な人は回答しません。ですから、アンケートのトピックスにどれくらいの割合で関心を示すかが捉えにくい事になります。

しかし、Face to Faceであれば、話しかければ、少しくらいは話を聞いてくれる人がいます。トピックスに対して無関心であればそう意思表示してくれたり、リアクションから読み取ることが可能です。それによって、関心を示す人と示さない人のざっくりした割合が読み取れるでしょう。

 

オフラインのイベントなら、両方を組み合わせてやるべき、なのでしょうがオンラインイベントなら、その代替手段を考える必要があるかも知れません。

 

3.プレゼンについて

 

startupweekendの最後は、ジャッジと参加者に対して、プレゼンを行ないます。

 

ここで、気になるのは冒頭の課題の共有(誰のどんな問題をというWHAT WHOの部分)に時間をかけすぎていると感じる部分です。おそらく、そこに一番、チームとしての思い入れがあるので、時間をかけたくなる気持ちはわかります。しかし、多くのチームが、スライドで3枚〜5枚くらい、時間にして、1分半から2分も時間を掛けるのは、正直長すぎると感じました。ここは、ビジュアルとしてメッセージの伝わるスライドを1枚入れれば、30秒ほどで伝えられるのでは、と感じています。

 

ジャッジや、聴衆が本当に聞きたいのは、その課題をどうやって解決するのか?なぜ自分たちが出来るのか?といった(HOW WHYの部分)だと思うからです。

startupweekendで発表されるテーマについては、多くの人が課題に感じていて、なんらかのアプローチで解決策に取り組んでいます。その中で、自分たちのやり方は、今までとどう違うのか?なぜ自分たちがより良く解決出来るのか?それを発表するのがプレゼンの場だと考えています。

 

かつて、私が受講したベンチャーキャピタリストの研修で講義をして頂いたジェネシアベンチャーズの田島さんが作られた、事業計画スライドのポイントです。だいぶ古い資料ですが、未だに色褪せないものだと思っていますので、よければ参考にしてみて下さい。

www.find-job.net

 

startupweekendでは、このうち、課題設定、ビジョン、プロダクト概要、戦略、マーケット、に加えて3日間のアウトプットを発表すれば良いのではないでしょうか?

更に言うと、イベント後どういうアクティビティによって、実現していくかまで発表できればベストだと思います。

 

今回のイベントでも多くの学びがあったので書いてみました。

startupweekend Kyotoに興味を持たれて方は、ぜひこちらも見てみて下さい。

https://www.facebook.com/swkyoto

 

 

それは、2011年8月5日に始まった

今日8月5日は、私にとっては感慨深い日です。

そう、startupweekend Kyotoを10年前に初めて開催した日なのです。

10年の振り返りについて書いてみたいと思います。

これが10年前の写真です。

一応、知らない人のために書いておきますと、startupweekendは金曜の夜に集まり、そこからアイデアを3日間54時間で、参加者がアントレプレナーとして、スタートアップのビジネスにする全世界で開催されているイベントです。

f:id:ujiis:20210804160239j:plain

 

開催の経緯とかは、ここに書いているのでよかったら、読んでみて下さい。

 

ujiis.hatenablog.com

 

1.10年前と変わった事

 第1回のstartuoweekend Kyotoは、日本で東京以外の場所で開催した初めてのstartupweekendでした。(実は、同じ月に福岡でも開催していましたが)当時は、まだまだスタートアップのイベントというのは少なく、そもそもスタートアップという言葉すら一般的ではありませんでした。今では、全国のありとあらゆるところでstartupweekendが開催されています。startupweekendだけでなく、今やスタートアップのイベントがありとあらゆるところで開催されており、だいぶスタートアップという言葉が一般的になったと言えると思います。

 

 また、第1回のジャッジでご参加頂いた榊原さんの率いるサムライインキュベートは、当時は、シード期のスタートアップに出資を行なう数少ないシードVCでしたが、今ではシード期に特化して投資するVCの数が、かなり増えてきています。

その他にも購入型、投資型のクラウドファンディングに多くのスタートアップがチャレンジしたり地銀、信金などがスタートアップ向けの創業融資の制度を設けたり、地域のスタートアップファンドが組成するなど資金調達の部分は、かなり改善されてきていると言えるのではないでしょうか。

もう一つ変わっていない点は、割とスタートアップを応援し続ける人はずっと応援してくれていると思っていて、この温かさは素敵だと思っています。

 

f:id:ujiis:20210805103533j:plain

 (第1回のジャッジの皆さん 手前からサムライインキュベートの榊原さん、ゆめみ創業者の深田さん、イーエージェンシー創業者の甲斐さん、元オープンネットワークラボの安田さん、はてな創業者の近藤さん)

 

スタートアップが、何か特別なモノから少し変わった?ビジネスの一形態として認識されるようになったのが大きく変わった点だと思います。

 

2.10年経っても変わらない事

 10年経ってもそう変わっていないのは、スタートアップの多様性の部分ではないか?と思っています。確かに、女性起業家支援、学生起業家支援といったカテゴライズされた形でのスタートアップへのサポートは増えてきているとは思っています。

しかし、例えばスタートアップのチームに女性や学生などの若者、そして私のようなおじさんが幅広く関わっている事は、まだまだ少数だと思っています。スタートアップこそ、真の多様性を追求していくべきではと思っています。startupweekendの参加者ではまだまだ女性は少数ですし、もっと少ないのはおじさん、おばさん(失礼)のような気もします。

 

3.startupweekend Kyotoの位置付けと意義・マインド

 10年前にはじめた頃には、そもそも関西でスタートアップのイベント自体が珍しかったので、色々な可能性があったと思っています。startupのスターを生み出す場にしたいと思った事もありました。10年間のあゆみを考えると、その試行錯誤の失敗の歴史だったと言えるのかも知れません。

 ただ、今言える事は、startupweekendKyotoは『イベントでなく、スタートアップコミュニティだ』という事です。運営メンバーは、ボランティアで、誰もギャラなく動いています。そんな中でも意識しているのは、自分たち運営メンバー自身もスタートアップのマインドを持ってさまざまな事にトライする事です。

 側から見ると些細な事かも知れませんが、海外の派遣プログラム作ったり、学生限定イベントやバイリンガルイベント(日本語と英語、日本語と中国語)、コミュニティでのオンラインセッションやオンラインイベントの参加者に京都のギフトを送るなどなど。

 これらのチャレンジを経て、思うところとしてはstartupweekend Kyotoは、スタートアップに触れる最初の機会の一つであり、スタートアップコミュニティに参加するpathだと思っています。冒頭にスタートアップ自体がかなり、身近になってきたとは言いましたが、全ての人が本当にチャレンジすべきだというものではないと思っています。

 ですからstartupweekend Kyotoに参加する事によって、もっと深く関わりたい人はここで出来たネットワークを使って本格的にチャレンジすれば良いし、違うと思えばもっと安定した別の人生を歩めば良いと思っています。

 

4.10年を振り返ると感謝・感謝また感謝しかない

 この10年を振り返ると感謝しかありません。まずは、このイベントを僕に紹介してくれた山下大介さん、そして日本のスタートアップウイークエンドを立ち上げた、JOHNI Li、そして日本法人を立ち上げたLee Dong Yolがいなければ、そもそもここまでスタートアップに深く関わる事はなかったかも知れません。

 京都の運営で一番最初に手伝ってくれた盟友の寺戸さん、タナカユウヤ、それにまだ固定した運営メンバーが全然いなくて困っていた時に関わってくれた、山田さん、藤原さんにはとても助けられました。あとは、あげ始めるとキリがないので、愛すべき今の運営メンバーのお陰で充実した活動になっていると思っています。感謝、感謝です。

 

 そして、毎回ギャラなしの中、土日にコーチ、ジャッジで協力してくださるみなさまにもこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。まだ、続けると10年間も続けてこられたのは、会場の提供を含めてスポンサーとして協力頂いた企業様のお陰です。本当にありがとうございます。

 

当初の予定では、10年を節目に山口百恵のように、ステージにマイクを置いて静かに立ち去るはず(もう誰もわからん笑)でしたが、残念ながらもう少し続けそうです。

 

最後に告知です。

8月27日〜29日にオンラインで英語版(Kyoto Startup Summer Schoolとの連携企画)と通常の日本語イベントのオンラインイベントの2つのイベントを時差開催します。

2つのイベントの参加者は、パレルワールドで繋がる事も出来るというちょっと変わった嗜好を設けています。まだまだ、参加者の方は募集しておりますので、ぜひ宜しくお願い致します。

 

日本語版

swkyoto.doorkeeper.jp

 

英語版

swkyoto.doorkeeper.jp

 

 

 

 

 

 
 

startupweekend kyotoをオンラインで同日に2イベント時差開催する話

https://swkyoto.doorkeeper.jp/events/124264

swkyoto.doorkeeper.jp

 

オンラインで同日に2イベント時差開催する事になった経緯

久しぶりにstartupweekendについて書きます。

 

コロナ渦でリアルでのイベント開催は、出来ていないけれど、実は運営メンバーは定期的にオン、オフいろんな形で集まって話しています。

隙あらば、オフラインでやろうと言いながら、新学期そして夏場と微妙な感じで開催企画が立ち上がっては消え、立ち上がっては消えを繰り返し、とうとう例年開催しているKS3(Kyoto Startup Summer School)開催時期まであと僅かとなりました。

 

www.kyotostartupschool.org

 

海外から多くの参加者を集めるKS3は、ラストにstartupweekendを開催するのがセット商品のようになっており、企画段階で8月のオンライン開催は、割と早くから決定していました。

「じゃあ、時差開催で日本語版もオンラインでやっちゃうか?」

と、割にノリに近い感じで通っちゃうのが、このメンバーならではという感じでしょうか。

有り体に云うと、そんなに深い理由も目的もなく、「どうせオンラインでも運営は集まってやるんだろ。だったら一緒にやっちやいいやん。」という感じでしょうか。

 

とは言え、全く問題意識がないわけではありません。startupweekendは、スタートアップの最初の第一歩的な意味が強いと考えています。このイベントを経て、もっと本格的にスタートアップについて学んだり、ビジコンに出たり、仲間づくりをする。そんな場だと捉えています。そのため、出来れば早い段階で(高校生や20歳になるくらいまで)にこのイベントを体験して欲しいと思っています。

正直ここ2年間コロナ渦で、若い学生にそういった場を提供出来ていなかった事に運営として問題意識を持っていました。秋には、オフラインで開催できるのかな?って楽観的に考えつつも、今年の大学新入生や2年生とかにうまくリーチしたいなって考えています。

 

オンラインだから出来る事

去年、大阪と京都で2度オンラインイベントを開催しました。そこで感じたのは、ロジの部分は、オンラインのが全然楽っていう事です。オフラインで、最も大変なのは何気に食事の準備だったり、会場の手配だったり、設営なんかだったりします。

しかも、買い出しにいったりしてスタッフが何人かそこに取られるみたい。

あと、地味に実は、バックヤードで手配するスタッフは最終ピッチ見れないとかなんやかやの色々問題あったりします。

オンラインだと、このあたりの手間いわゆるイベント期間中の3日間の負荷はかなり軽減されますので、事前準備の部分にかなりフォーカス出来ます。(ただ、オンライン特有の回線やらシステムの課題はありますが・・・)

 

後は、参加者とコーチ、ジャッジの方が全国から良いタイミングで参加してもらえるという事です。僕ら運営は、ある種好きでやっている面があるので良いのですが、コーチやジャッジの方々には、休日にまとまった時間をわざわざ会場まで来て頂いてアドバイス頂きながらギャラする払わないw。こちらにご協力頂くのは、物凄く頭が下がる思いです。オンラインイベントだと、この点はかなり負担軽減に繋がりますし、距離の壁を超えられるので、普段なかなかお願いしにくい方にも参加をお願い出来るのは大きなメリットだと思っています。

また、たまに参加者の方で、土曜のこの時間だけ仕事があるとか、家庭の用意があるという方からお問い合わせを頂きます。「個別でチームの方に了承頂ければ良いですよ。」とお答えはするものの、やはりエントリーをためらわれる方が多いのも事実です。

参加者以外の方を巻き込むのはルール上全然オッケーと言っていますが、やはりオフラインでは、なかなか巻き込み辛いようですが、オンラインだとここのハードルも一気に下がると考えています。

 

オンラインイベントの課題

では、良い事ばかりかというとそうでもないと思っています。

やはり、体験の強烈さとかチームの結びつきなどは、オンラインではなかなか再現が難しいと考えています。そして、コーチやジャッジの方との交流なども再現の難しい部分かも知れません。

先ほど食事の手配と言いましたが、やはり「同じ釜の飯を食って頑張る。」という体験何者にも変え難いところもあり、どうしても、体験自体が少し軽くなってしまうのは否めない部分だと思います。

しかし、考えようによっては、現代のリモート中心の働き方という観点でみるとそこにフィットしていく事も必要だと感じますし、逆にリアルの大切さを認識する良い機会なのかもと思っています。

 

だんだん長くなってきたので、今回はこのへんで終了させて頂こうかと思います。

事前準備やら、なんやらの部分はまた別の機会に書かせて頂きます。

 

inahoが追求するRaaSモデルについて

f:id:ujiis:20210528191823p:plain

https://inaho.co/

1.inahoとは?

 

2017年に設立された、ロボティクススタートアップです。HPによると本社は、鎌倉にあり、イイ”イナホ”の日1月17日が設立日のようです。

 

inaho株式会社 | 農業の自動化ソリューション開発を行う一次産業のSierスタートアップ

 

inahoという会社の名前は知らなくても、このアスパラ収穫ロボットの動画は、ご覧になられた人もいらっしゃるのではないでしょうか?

 


www.youtube.com

 

2.農業の自動化実現の難易度

 

農業分野それも、野菜収穫をロボットで行うという話は、誰かがやるべきと言われながらもなかなか実現してきませんでした。実際、僕たちも農業分野のロボットなんて絶対やったらアカンと言われたりしました。

なぜなら、人手不足が深刻であるにもかかわらず、現状自動化する作業にかかっているコストが安すぎるため、採算が合わないのでやめとけというのが理由でした。こういった話は、農業の現場だけでなく生産現場でもよくあります。

また、日本の農業はスケールが小さい(欧米のように収穫量の規模が大きくない)事から自動化実現によるメリットが乏しいと考えらている事も要因の一つです。

他には、農作業は人のフレキシブルな判断と器用さを要求されるところが多いので、汎用化が難しいというのもその理由の一つです。そういった意味で、ハウス内のアスパラガスの収穫という比較的汎用化しやすい分野から始めた、というのはとても理にかなっていると思います。

 

3.アスパラ収穫ロボットとは?

 

動画とHPによると、まずこのロボットは、ハウス内に引かれた白線を認識して走行しているようです。その上で、カメラの画像から収穫に適したアスパラガスを判定して収穫していきます。ここにAIを活用して、収穫の効率化、最適化を実現しているものと思われます。

ここで、関心するのは夜間でも走行可能、充電式で連続走行可能となっているところです。上でも述べた人との比較の部分で、人が働けない時間も働く。人が操作しなくてもい動き続ける事によって、人が行う総作業量の差を埋めていると考えられます。

一見、このロボットの作業スピードでは人がやる方が早いので意味ないんじゃないと言いたくなりますが、初期設定だけして置きっぱで良いなら人がやるより多少効率が悪くても長時間労働させれば、解消するでしょう。(人だと即、労基行きですが、ロボットならそんな心配ないですし)

 

4.注目したのは、テクノロジーではなくビジネスモデル

 

ただ、本当に面白いと思ったのは実は、テクノロジーではなくビジネスモデルです。

Saasに擬えて、RaaSと呼んでいます。

このRaaSのビジネスモデルは以下です。

https://i.gyazo.com/3fed7583fe0c37b72c336d7789250e97.png

 

gyazo.com

 

さて、これの何が凄いと感えたかというと、完全に固定費を変動費化させているというところです。これは、農業に限らず生産現場でなぜロボット自動化が、必要と分かっていても導入されないかというと、導入によって費用の固定化につながるからです。

会計上の区分だけで言えば、自動化させ得る人の作業は固定費になります。

しかし、これらの作業はアルバイトやパートが担うことが多く生産量(言い換えると作業量)が少なければ、その分稼働時間を減らす変動的経費です。

ロボット導入や自動化を行うと、今までのモデルであれば生産量が減ろうが調整が効かないというのがネックになったいたはずです。

しかし、inahoが推進するRaaSモデルであれば収穫量に比例して支払えば良いのでリースよりも更に効率良く導入することが可能になるでしょう。

対応する作物は、アスパラガスからキュウリやトマト、ナスなどに拡大させていく予定のようですので注目していきたいと思います。

スタートアップはピッチ資料を3セット用意しよう

f:id:ujiis:20210419011228p:plain

https://voicy.jp/channel/621/100255

不定期でVoicyで人気のシリコンバレーによろしくリターンズ通称【シリよろ】の学びを紹介していますが、今回はアメリカのアクセラレータを体験した学びの中のピッチスライドについての解説です。

元ネタはこちら

voicy.jp

 

今回のお話は、ラーメンヒーローのヒロさんがエンジェルベットでの学びについて解説しているお話で、デックいわゆるピッチ資料についてです。話の概略としては、タイトルにもある通り、ピッチ資料を1.Meeting前、2.Meeting中、3.Meeting後の3セット用意しろというものです。

ラーメンヒーローのヒロさんについては、以下の記事をご参照下さい。

 

thebridge.jp

 

それでは、順に3つピッチ資料について解説します。

 

1.Meeting前の資料

meeting前に必要なピッチ資料というのは、面談を申し入れるもしくは紹介を受ける際に渡す資料と考えれば良いでしょう。この資料を作成する目的は、事業に興味を持ってもらいMeetingを設定してもらう事にあります。

ここからがとても細かくなりますが、以下のような点に気をつけろというものです。

 

①モバイルに最適化する

②文字は大きめにする

③文章は端的に箇条書きにする

④重いファイルにせず、軽いPDFに圧縮する

⑤Doc Sendを使わない

⑥資料はmax5ページにまとめる

 

これは、投資家側の立場にたてばわかるかも知れません。忙しく、多くの起業家からアプライされる身としては、移動中にさらっと目を通したいというのが本音なのでしょう。5枚のスライドの中には、プロダクトの概要、詳細、ファウンダーの経歴(特筆すべき経歴や事業に結びついく経歴を簡潔に示す)、今やっている事、サービスの現状(進捗状況と世の中の評価など)を盛り込んだとヒロさんは言っています。

 

このスライドのゴールは、もう一度言うと、事業に興味を持ってもらいMeetingを設定してもらう事です。

 

2.Meeting中の資料

このスライドの目的は、相手にさらに興味を持ってもらいQ&Aを行なう事です。

そして、この資料の本質を最も表しているのが、資料はあくまで補助に過ぎず、一番必要な事は起業家の話す内容だという事です。この資料は、ボリュームとしては10〜15ページが適量との事です。

そしてやはり以下のような注意点があります。

 

①文字を少なくビジュアルを多めにする

②より、ワクワクしてもらえるような作りにする

③最初のスライドでは、十分に伝えきれていないビジョン、ストーリー、今までに成し遂げてきた事を盛り込む

④1時間のMTGであれば10分〜15分をスライドを使って説明し、残りの時間をQ&Aに使う

⑤マーケットサイズやマーケットエコノミクスなどの細い数字について、別資料として用意しておく

 

このミーティングでは、投資家に事業をより理解してもらいクリアにする事。そしてワクワクしてもらいやこうやったら上手くいくのではというような質問を繰り出してもらう事にあるようです。

 

このMTGで使う資料のゴールは、相手にさらに興味を持ってもらいQ&Aを行なう事です。出来るだけエモい感じに仕上げる必要があるではないでしょうか?

そして、想定されるような質問が出てくれば、別で用意した資料でもって「これですよね?」って答える感じなのではないでしょうか。

 

3.Meeting後の資料

最後の資料は、単純にMeetingが終了したあと、お礼メールと一緒に送る資料でおそらく多くのスタートアップが使っている資料になるのではないでしょうか。

では、Meeeting中に使っていた資料プラス補足資料とどう違うのか?と言うと、Meeting中に使った資料は、よりビジュアルに訴えていたものを、ドキュメント化したり数値化する事によって、じっくり読んで理解出来るものにするという点があるようです。

これは、私の想像にはなりますが既にある程度関心と興味を持っていただいているので、スライドだと見たくないような、より詳細な説明も盛り込んでいて良いのではん倍でしょうか。

 

最後に朝倉さんが、投資家目線として言われていた事はなかなか印象的でした。

質問に対して、正面から向き合わずにはぐらかそうとするとあまり良い印象を持たないというものです。やはり、準備していなかったような想定の話や知らない事を聞かれた時には正直に、「想定していなかった」「わかりません」と答える方が好感が持てるという事のようです。今後、本当にキツい事や、想定外の事象が起きた時に、「この人は本質から逃げるんじゃないか?」と思ってしまうからというのが理由だそうです。

これは、肝に銘じておいた方が良さそうな話です。

 

如何でしたでしょうか?

正直、ピッチ資料って時間の長いバージョンと短いバージョンに2つくらいしか作ってこなかったですし、使い分けやここまで細い事は考えてこなかったいうのが、現状だったのですごくためになりました。

個人的には、最後の資料から逆算して作るのかな?と思っていたりします。

そのエグゼクティブサマリーみたいなのが、meeting前の資料そして、よりビジュアライズにエモく作り変えて、Meeting中の資料にするみたいなイメージですね。

 

marketplaceのビジネスを始める人は知っておくべき〜Hierarchy of Marketplaces レベル2〜

前回紹介した、Hierarchy of Marketplacesの続編で今回はレベル2について紹介します。前回のレベル1はこちらです。

 

ujiis.hatenablog.com

 

また、元ネタとなるVoicyの放送はこちらです。

voicy.jp

さらにこの原典ともいうべき、サラさんのブログはこちらです。英語の強い方はぜひこちらを読んでみて下さい。

sarahtavel.medium.com

 

さて今回の内容は、

  1. Hierarchy of Marketplacesレベル2とは?
  2. レベル2において重要な2つのループとは?
  3. レベル2とレベル3の境界線とこれを超えるために必要な事とは?

 

 

 1.Hierarchy of Marketplacesレベル2とは?

 

 前回のおさらいになりますが、Hierarchy of Marketplacesの考え方の中で最も重要なのは、customor happineseeであり、レベル1のフォーカスでは、非常に狭い市場の中でMVH(minimumu variable hapiness)を生み出す事によってレベニューにリテンションを図るという事でした。

先に言ってしまうとレベル2のゴールは、限られて狭い市場での独占を実現して、別の市場へ伸ばす体制を整えると言って良いと思います。

この段階に到達させるアクションであるレベル2をTIPと読んでいるそうです。

レベル2では、2つのループが生み出す事が重要になるという事です。

 

2.レベル2において重要な2つのループとは?

 

まず、一つ目のループは、グロースループです。グロースループとは、一口に言ってしますと新しいユーザーを連れてくる循環になります。

Uberであれば、利用したドライバーがMVHを得た事により他のドライバーに紹介するというようなリファラルを生み出す仕組になります。リファラルというのは、日本語にすると紹介とか推薦と書かれていますが、Uberの場合まさに「利用した運転手が、運転手を連れてくる」って事になるのでしょう。

この循環が生まれ出すとオーガニックでユーザーが増えるという事になります。

このリファラルを生み出すインセンティブの設計が大きく影響してきそうです。とは言え前回の内容にはなりますが、Uberであればドライバー自身にhapinessを生み出しているのか?が最も重要な点であるというのは当然でしょう。

 

ループの2つ目は、ハピネスループです。

ハピネスループとはフリクション(障壁)を下げる循環になります。例えば、Uber eatsであれば、早く届くランキングを公表する事によって、顧客側は早く届くお店を利用する。ランキングの高い店は利用が進み、ランキングの低い店は淘汰されるか、早く届くための努力をする事で利用者の利便性が向上し、使わない理由がなくなっていくという事である。

この2つのループをうまく回す事で狭い市場を独占するのがレベル2の段階です。

 

3.レベル2とレベル3の境界線とこれを超えるために必要な事とは?

 

Voicyの放送の中でも、レベル2とレベル3の間に大きな壁がありそうという話が出ていました。すでにレベル3の部分まで理解している上で、レベル2からレベル3にいくまでに必要になりそうな事をあげておこうと思います。

レベル1では徹底的にMVHの実現にフォーカスするので、プロダクトやサービスにおける価値いわゆる肝の部分がcustomor happinessを生み出せるかにフォカースします。

対して、レベル2では、リファラルを生み出すためのインセンティブの設計やmarketplaceを使わない理由を排除していくといった多岐に渡る仕掛けが必要になります。

対して、レベル3では市場全体の独占になるので、レベル2においてレベル3つまり市場全体で勝てるパターンを作らなければならないという事になります。要は、その市場を独占するには使えるが、他の市場では使えないユースケースではレベル3にたどりつけないという事になるでしょう。

但し、狭い市場を独占したら直ぐに市場全体で拡大するのではなく、同じユースケースが使えて独占出来る市場を見つけておく必要があるでしょう。

 

レベル2の部分で重要だと感じたのは以下の点です。

 

①グロースループとハピネスループを意図的に作り出す仕組みが大事

②2つのループが循環するためのインセンティブ設計

③狭い市場を独占するユースケースを体系化する

④次にどこのニッチ市場に展開出来るかの展望とステップを考える事

 

如何でしたでしょうか?

今回3つ目の部分で、だいぶ個人的な意見を盛り込んだので、是非原典やVoicyの放送を聴いてみて下さい。